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漏えい対策急務 同型タンク350基 接合部分劣化の恐れ

 汚染水をめぐるトラブルが相次ぐ東京電力福島第一原発では、放射性物質を含む汚染水が毎日400トンずつ増え続けており、貯蔵用の地上タンクの増設でしのいでいる。しかし、タンクには劣化の恐れがあり、漏えいへの対策が急務になっていた。
 今回、約300トンの汚染水が漏れたタンクは円筒形で、第一原発で使用される中では最大となる千トンの貯蔵容量を持つ。鋼鉄製の部材をボルトでつないで組み立てる構造で、ゴム製パッキンの劣化やボルトの緩みで水漏れしやすい構造という。原発事故後、タンクからの水漏れは今回で5回目だが、いずれも同型のタンクだった。
 東電によると、パッキンの耐用年数は5年ほどとされているが、解体せずに交換できない。このため、接合部分に外側から止水材を塗ってコーティングする劣化対策を進めるほか、今後は溶接するタイプのタンクを増やしていくとしている。
 敷地内では、漏水したものと同型のタンクが350基ある。このうち310基で汚染水を貯蔵している。
 汚染水の保管場所として、計約5万8千トンの容量を持つ地下貯水槽もあるが、4月に漏えいが発覚し、使用を中止した。東電は現在、敷地内に約30万トンの汚染水をタンクにためているが、平成28年度までにタンク容量を80万トンまで増やす。
 現状ではタンクに頼るしかない中で漏えいが起き、東電の汚染水対策は一段と厳しい状況に追い込まれている。

■東電が陳謝

 東京電力福島第一原発の地上タンクから汚染水が漏れ、極めて高濃度の放射性物質が検出された問題で、東京電力の尾野昌之原子力・立地本部長代理は20日、東京・内幸町の東電本店で記者会見し、冒頭で「大変ご心配をおかけしていることを、おわび申し上げます」と頭を下げた。
 尾野氏は「汚染水が拡散してしまうことを防ぐ必要があり、土のうを補強している」と対応に追われる現場の状況を明らかにした。
 海への流出の可能性を問われると「(放射性物質の濃度が)濃いものが直接(海に)出ているとは思っていない」と述べた。

【汚染水をめぐる一連の動き】
◆4月5日
・地下貯水槽からの汚染水漏えい
 地下貯水槽のシートと地盤の間にたまっていた水を分析した結果、通常の地下水より高い濃度の放射性物質が検出された。4月7日、4月13日にも別の貯水槽で漏えいを確認。
◆6月19日
・井戸水で高濃度放射性物質を検出
 2号機タービン建屋海側に設置した観測用の井戸の水から高濃度の放射性ストロンチウムとトリチウムを検出。
◆7月22日
・東電が汚染水の海への流出認める
 福島第一原発敷地内の海側観測用井戸で高濃度の放射性物質が相次いで検出された問題を受け、東電は放射性物質を含む汚染水が地下を通り海に流出していると初めて認めた。

カテゴリー:福島第一原発事故

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