東日本大震災

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被災地に配慮 来月から値上げ 海輪誠東北電力社長に聞く

電気料金値上げの背景などについて語る海輪社長

 東北電力の海輪誠社長は21日、福島民報社のインタビューに応じ、9月1日から実施する電気料金の値上げについて陳謝した上で、あらためて理解を求めた。(聞き手=取締役編集局長・佐藤 光俊)

 -1日から家庭向け電気料金が平均8・94%、企業向けは平均15・24%と33年ぶりに値上げされる。
 「東日本大震災による発電設備の被害と東京電力福島第一原発事故の影響で原発が長期停止し、財務が大幅に悪化したのが要因となった。原因はどうであれ、特に被災地の方々にはおわびしたい」

 -県内では原発事故で約15万人が避難している状況が続く。
 「被災地にはできる限り配慮した。仮設住宅に暮らす人にも影響が少なくなるように、利用量が少ない世帯の値上げ幅は約5%で済むような料金体系にした。認可がいらない企業向けの値上げは7月1日から実施している電力会社がある中、東北電力は家庭向けと同じ9月1日からとし、結果的に2カ月間据え置く形となった」

 -東北電力も震災による大きな被害を受けた。経営健全化へ向けた具体策は。
 「人件費や燃料費、資材購入費の削減など今まで取り組んできたことを深掘りするしかない。しかし人件費や資材購入費の削減は地域経済に与える影響も大きい。特に資材調達の削減は地元企業に悪影響を及ぼしかねず、しわ寄せがいかないようバランスを取りながら進めていく」

 -女川と東通両原発の再稼働の見通しを。
 「長期的には脱原発の方向に向かうかは国の政策判断だ。当面10年間の需給と料金を安定させるには全号機とは言わないまでも、ある程度の再稼働は必要。安全対策を進めて地元の皆さんに理解を求めていく。現在の再生可能エネルギーの(整備)スピードでは(原発に)代替できない。再稼働を一部容認してもらわないと、ここ数年の発展は得られないと思う」

 -建設を断念した浪江・小高原発計画予定地の利用見通しは。
 「6月に県と地元自治体を交え事務レベルでの情報交換会を開いた。地域ニーズを整理しながら、住民の帰還や町のグランドデザインにどう関われるのかを前向きに考えている」

 -県民へのメッセージを。
 「料金値上げで県民の皆さんに大きな負担をお願いすることを大変申し訳ないと思う。経営を健全化し、その成果として電力供給と電気料金を安定させた上で、最終的に地域貢献ができると思う。しかし、財務的な体力を健全化しないと地域貢献も難しい。(経営の健全化に向け)一生懸命やっていくので料金値上げに理解をいただき、次のステップを進めていきたい」


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