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汚染水対策打ち出せず 政府、漏えい原因不明で

 東京電力福島第一原発の地上タンクから汚染水が外洋に流れ出ている可能性が高まった問題で、政府は23日、汚染水処理対策委員会を開き、専門家や技術者らと議論したが抜本的な対策は打ち出せなかった。経済産業省は、タンクから汚染水の漏れた原因が特定できていないためと説明している。漏えい対策は喫緊の課題で、福島県は「一刻も早く具体的な対策を示すべき」と批判している。
 委員会は冒頭を除き非公開だった。経産省によると、東電が汚染水の漏えい状況や、被害拡大防止のための対応状況などを説明した。しかし、漏えい箇所については「タンク底部の可能性がある」としただけで新たな報告はなかった。
 このため、委員からは「タンクの信頼性を向上させるため、接ぎ目にコーティング材を使ってはどうか」「高濃度汚染水を減らす多核種除去設備(ALPS)の早期復旧や増強を検討するべきだ」などの意見が出るのにとどまった。
 終了後、経産省資源エネルギー庁の新川達也原子力発電所事故収束対応室長は「いまだ事故原因が特定されておらず、対策を打ち出せなかった。ただ、タンクからの漏えいは喫緊の課題と認識している。早急に安全対策を指示できるよう努力する」と語った。
 対策委員会では、東電が汚染水対策の一つとしていた地下水くみ上げ用の「サブドレイン設備」を来年9月に稼働するとした計画を明らかにした。
 汚染水を一時保管するタンク約1000基のうち、約350基は接ぎ目をボルトで締め付けるだけの簡易な構造。うち1基で約300トンが漏れ、一部が海に流れたとみられる。また、政府の試算では、放射性物質に汚染された地下水が1日約300トン、海に流出している。
 東電は対策委員会の議論を踏まえ、漏えいを防ぐ地盤改良工事を建屋の海側の護岸で進めているほか、建屋周囲の地中に凍土の遮水壁をつくり地下水の流入を防ぐ対策の実施も検討している。
   ◇  ◇
 福島県原子力安全対策課の渡辺仁課長は「具体的な対策が示されるものと思ったが、次回の検討とされたようだ」と述べ、政府に対し早急な対応を求めた。

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