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放射線 放射性物質 Q&A 新生児全員の甲状腺検査とは

 生まれたばかりの赤ちゃん全員を対象に甲状腺機能を検査していると聞きました。東京電力福島第一原発事故の発生以降、県が子どもの甲状腺検査に取り組んでいますが、それとは別の検査なのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■原発事故前から全国で実施発症前に病気を発見し治療

 福島県に限らず、日本国内では生後4~6日の乳児全員を対象に、新生児マス・スクリーニングという検査が行われています。
 新生児は、見掛けは元気でも、生まれつき病気を持っている場合があります。病気の中には、早く発見して治療することにより、障害の発生を防ぐことのできるものがあります。マス・スクリーニングは、そのような病気を、発症前に見つけて、すぐに効果的な治療を始めるための検査です。新生児の血液を採取して行うのですが、新生児は血管が細すぎて採血ができないため、かかとから少量の血液を濾紙(ろし)で採取します。
 マス・スクリーニングの対象となっている疾患は現在、6つあります。その中に先天性甲状腺機能低下症といって、生まれつき甲状腺の機能が低い疾患が含まれています。先天性甲状腺機能低下症はマス・スクリーニングの対象となっている疾患の中で最も頻度が高く、日本では約1700人に1人の割合で発見されています。
 先天性甲状腺機能低下症をそのまま放置すると、子どもの知能の発達に障害が出る可能性があるため、最終的な診断の確定後、速やかに甲状腺ホルモンを投与します。
 このようにマス・スクリーニングは福島第一原発事故のずっと前から、新生児全員を対象に行われてきたものであります。その意味では日本中の乳児が甲状腺機能検査を受けているといえます。
 マス・スクリーニングは、乳児の健やかな発育を見守る上での大切な検査なのです。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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