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町民集える新施設 富岡町のシニアガーデン 29日、福島に移転

新施設に掲げられた富岡町夜の森地区の〝桜のトンネル〟のパネルと鈴木さん夫婦

■施設長 鈴木康弘さん66 管理者 洋子さん63夫婦
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で大玉村に避難している富岡町の「グループホームシニアガーデン」は29日、福島市伏拝の新施設に移転する。住民が集える「地域交流室」が新たに併設される。施設長の鈴木康弘さん(66)と妻で管理者の洋子さん(63)は「地域に溶け込みながら、地元の言葉で話し合える場所にしたい」と笑顔を見せている。

■災害時は避難所に
 新施設は木造2階建て約830平方メートルで、18の個室やリビングルームなどを備える。富岡町夜の森地区の"桜のトンネル"の大型パネルをはじめ、康弘さんが所属する富岡ロータリークラブの前会長大和田剛さん(61)が描いた双葉郡内の風景画を飾った。故郷の様子を少しでも再現したいとの鈴木さん夫婦の思いが込められている。
 地域交流室は、地域の集会所や、地域住民と施設利用者らの交流の場として活用する。災害時は避難所として機能する。県認知症ケア専門士会長の洋子さんらによる介護教室を計画している。
 震災後、鈴木さん夫婦は認知症の利用者やスタッフとともに川内村のそば店や福島市のアパートなど各地を転々とした。新施設は6カ所目の移転先となる。富岡町の施設は居住制限区域にあるため、帰還時期は見通せない。
 25日には、関係者を招き、新施設の特徴を紹介した。引き続き、市内の福島グリーンパレスで祝賀会を開き、関係者とともに新施設の完成を祝った。
 鈴木さん夫婦は「やめようと思ったこともあったが、周囲の支えで続けられた。双葉郡から避難している住民と、福島市民をつなぐ憩いの場にしたい」と話している。
 9月1日からは、市民を対象にしたデイサービス(通所介護)事業も始める。問い合わせはデイサービスセンター シニアガーデン 電話024(563)4671(29日以降通話可能)へ。

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