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中間貯蔵施設整備停滞 また組織替え 縦割り行政弊害露呈

 東京電力福島第一原発事故に伴う汚染土壌などを搬入する中間貯蔵施設の整備計画が進んでいない。環境省と復興庁の出先機関の縦割り行政を解消し、復興などを加速するため今年2月に福島復興再生総局が発足したが、目標とする平成27年1月の中間貯蔵施設供用開始の見通しが立っていない。復興再生総局の調整機能が不十分なためだ。政府は30日、中間貯蔵施設整備に特化した現地推進本部を9月4日に設置すると発表した。しかし、構成メンバーは大臣、副大臣クラスで、態勢を新たにしても整備が加速するかは未知数だ。

■4日、新推進本部実行力は未知数

 中間貯蔵施設の整備計画では27年1月までの整備と、同年からの搬入開始を目指している。分散設置する計画がある楢葉、大熊両町で現地調査に着手した。双葉町では調査に向けた町民への説明が続く。住民からは施設の具体像などの説明不足を指摘する声があり、建設に入るには地権者との用地交渉などのハードルが残る。
 中でも各町の住民の多くが求める、施設整備と各種支援策の一体的な取り組みが実現せず、住民理解が深まらないのが中間貯蔵施設整備の遅れの要因の一つになっている。施設整備は環境省、避難生活支援は復興庁、損害賠償は経済産業省と文部科学省がそれぞれ担当している。復興再生総局が果たすべき調整機能が不十分で、現在も縦割り行政の弊害が生じているとの指摘がある。
 現地推進本部の新設は、対応を環境省任せにせず、復興庁が主体的に中間貯蔵施設整備に加わり、県や市町村、住民との協議を円滑に進めるのが目的。設置場所周辺の住民の生活再建策などにも携わる。汚染土壌などの受け入れ先を確保し、除染を進め復興を加速させる狙いもある。
 今月8日に開かれた閣僚懇談会で、菅義偉官房長官が現地体制の強化を指示したことを受けた対応。推進本部のメンバーは関係省庁の大臣、副大臣、政務官ら6人で、本部長には根本匠復興相(衆院本県2区)と石原伸晃環境相が就く。事務局は復興再生総局内に置き、職員約25人を配置するが、全員が他部署の業務と兼任になる。そのため、新態勢は専従性に乏しく「組織の組み替え」にとどまる可能性があり、実行力には疑問符が付く。
 根本復興相は30日の閣議後記者会見で「中間貯蔵施設は除染作業を推進するために必要不可欠。関係する自治体に統一的、総合的な対応を丁寧に行うことが極めて重要だ」と現地推進本部設置の意義を述べた。県産業廃棄物課は「施設を整備する国の責任が高まる。(整備の前段階の)現地調査をしっかり行い、安全性などについて地元に丁寧に説明してほしい」と求めている。
 本部長以外の本部員は次の通り。
 ▽副本部長=井上信治環境副大臣▽構成員=浜田昌良復興副大臣、亀岡偉民復興大臣政務官(衆院本県1区)、赤羽一嘉経済産業副大臣

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