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放射線 放射性物質 Q&A チェルノブイリの甲状腺がん発症者は

 1986年のチェルノブイリ原発事故発生時の周辺地域で、事故で放出された放射性物質の影響による甲状腺がんが多発したと聞きました。当時発生していた甲状腺がんは、どのような人が発症したのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■内部被ばくで小児で発症増 県内は制限措置で危険低減

 チェルノブイリ原発事故では、東京電力福島第一原発事故の約7~10倍の放射性物質が放出されました。事故発生直後に放射性ヨウ素で汚染された食物の摂取制限や出荷制限などの措置を取らず、汚染された牛乳などを摂取した住民、特に小児が高い線量の内部被ばくをしました。
 その後、事故当時に小児だった世代を中心に甲状腺がんが多発しました。チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんを発症した小児の被ばく線量は平均で300ミリグレイ程度と推定されています。
 1990~95年に長崎や広島などの日本の専門家が参加し、チェルノブイリ原発周辺で事故当時0~18歳の約12万人を対象に甲状腺を検診しました。その結果、特に事故当時0~5歳の世代に甲状腺がんが増加していることが分かりました。
 一般的に、甲状腺がんは加齢に伴い発症数が増え、特に中年以降の女性に多いのですが、チェルノブイリ原発事故では発生当時に小児だった世代で発症が増加しました。
 県内ではチェルノブイリ原発事故の経験を踏まえ、原発事故直後から汚染食物の摂取制限や出荷制限などの措置を取り、特に放射性ヨウ素による内部被ばくの低減化に努めてきました。このため、甲状腺がん発症増加のリスクは極めて低いとみられます。さらに県は県民健康管理調査を通して特に若い世代の健康を見守っています。

※ミリグレイ
 放射線の吸収線量。放射性ヨウ素や放射性セシウムが出す放射線の場合、1ミリグレイは1ミリシーベルトとなる。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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