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排水総量1130トン、885万ベクレル 第一原発せき 1リットル当たり濃度基準以下

 東京電力は17日、福島第一原発の地上タンク群に設けたせきから16日に排出した水の総量は約1130トンだったと発表した。排出した水に含まれていた、ベータ線を出す放射性物質の量は推定で約885万ベクレルに上る。1リットル当たりの換算で放射性物質濃度は法定基準(ストロンチウム90で30ベクレル)を下回っているが、17日開かれた県廃炉安全監視協議会では「対策が後手に回った」との指摘が相次いだ。県が台風に備え早急にマニュアルを策定するよう求め、東電は応じる方針を示した。
 福島市で開かれた県廃炉安全監視協議会では、会長を務める長谷川哲也県生活環境部長が「速やか、明確に(放水の)基準と対応方針を決めてほしい」と述べた。今後も台風接近が予想されるため、放射性物質を含んだ水の処理基準や、排水などの手順について社内でマニュアル化することを念頭に求めた。
 これに対し、東電の担当者は「今回の知見を踏まえ、(対策に向けて)早急に詰めていきたい」と答えた。
 有識者の委員からは「台風が来ることは事前に分かっていたのに対応マニュアルは準備してなかったのか」などとする意見が出た。
 東電は16日、せきの中の水について、ストロンチウム90などベータ線を放つ放射性物質の濃度を調べた。基準を下回る水についてタンクから漏えいしたものではないと判断、排出した。水は地面に染み込んだほか、一部は排水溝を通じて直接海に流れ出たとみられる。せきの外に出た水のベータ線の放射性物質濃度は基準値以下で、最大1リットル当たり24ベクレルという。セシウムを中心としたガンマ線を出す放射性物質の濃度は、タンク内の水をセシウム除去設備で既に処理していたため調べなかった。
 東電は放水について、県や県漁連などに事前連絡し、「理解してもらった」としている。しかし、県の担当者は「説明はあったが、県として理解も了承もしていない」と否定している。
 地上タンク周辺に設けられたせきの高さは30センチ。台風や豪雨などの際、放射性物質を含む水があふれ出す可能性が以前から指摘されていたが、東電はかさ上げなどの対策を取っていなかった。

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