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分析システム開発 土壌のストロンチウム90濃度 福大合同チーム

ストロンチウム90の濃度を分析する新システムの装置を説明する高貝准教授=福島大

 福島大などの合同チームは、骨にたまりやすく健康影響が懸念される放射性物質ストロンチウム90が土壌などに含まれる濃度を分析するシステムを開発した。従来の分析手法では2週間~1カ月程度の期間や膨大な手間が必要だが、新システムは20分程度で分析結果が出る。広範囲の土壌の迅速な汚染状況把握などに役立つという。
 開発メンバーの高貝慶隆同大共生システム理工学類准教授が18日、同大で会見した。同大のほか、パーキンエルマージャパン、日本原子力研究開発機構、海洋研究開発機構が取り組んだ。
 現在、放射性物質濃度を測定する際、放射線量から含有濃度を分析している。しかし、ストロンチウム90が出す放射線のベータ線から放射性物質の含有濃度を分析するのは、ガンマ線を出す放射性セシウムなどと比べて難しいという。さまざまな化学処理や複雑な分析が必要となる。
 新システムでは、含有濃度を放射線量ではなく、ストロンチウムの質量で把握する。ストロンチウムだけを吸着する樹脂などを活用して土壌などの中からストロンチウムだけを取り出した上で、高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)を使ってストロンチウム90の質量を測定。質量から含有濃度を割り出す仕組みだ。
 検出下限値は土壌濃度の場合で1キロ当たり約5ベクレルで、人体への影響の危険性の有無を判断するには十分だという。
 開発研究論文は世界的に権威のあるイギリス王立化学会の学術論文誌への掲載許可を受けた。高貝准教授は「多くの検体を迅速に分析できるようになれば、広範囲の土壌の危険性判断に活用できる」としている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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