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「当然」「対応遅い」 首相5、6号機廃炉要請

 東京電力福島第一原発を視察した安倍晋三首相が19日、東電に同原発5、6号機の廃炉を要請したことに対し、地元首長や県民からは「当然だ。対応が遅い」「汚染水対策も急げ」と憤りの声が上がった。県や県議会などが県民の総意として県内全基廃炉を求めても、首を縦に振ることがなかった政府と東電。汚染水問題が国内外から注目される中、首相がようやく第一原発の全基廃炉を要請した。地元への説明がない突然の決断だった。ただ、東電は受諾の意思を示しておらず、今後の展開が注目される。
 佐藤雄平知事は山形県上山市で開かれた本県、山形、新潟の3県知事会議の協議中に「廃炉要請」の一報を受けた。会議後、記者団に囲まれると「県は県内原発の全基廃炉を求めてきた。安倍首相の要請は県の意向に沿った話」と表情をこわばらせて述べ、ようやく動きだした国が当然の判断を下したとの思いをにじませた。
 さらに「(東電には)年内にしっかり判断してもらいたい」と、首相の要請に対して即答を避けた東電の姿勢にくぎを刺した。
 県原子力発電所所在町協議会を構成する楢葉、大熊、双葉、富岡の4町は8月29日の臨時総会で、初めて足並みをそろえて県内原発の全基廃炉の方針を示したばかりだ。
 会長の松本幸英楢葉町長は「(地元4町が)全基廃炉を求める認識で一致しており、県と県議会も廃炉を訴える中で、今回の要請は当然」と述べた。渡辺利綱大熊町長は「県民がこれだけ苦しんでいる中で再稼働は無理。首相が自ら福島第一原発を視察しての発言は妥当だ」との認識を示した。宮本皓一富岡町長は「多くの住民を長い間避難させている現状を考えれば廃炉以外はあり得ない」と言い切った。
 一方、安倍首相の廃炉要請について、5、6号機がある双葉町の伊沢史朗町長は「立地町に事前に知らされておらず、突然の話で驚いている。早急な説明を求めたい」との談話を発表。地元を軽視するかのような政府の対応を批判した。
 汚染水の浄化完了を平成26年度内とした東電の方針に対し、馬場有浪江町長は「既に事業者による対策は破綻している。町の復旧・復興に大きく関わる。国が主導してほしい」と注文した。

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