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今を生きる 原発事故賠償 被災者支えたい 古里白河に法律事務所

被災者支援を誓う学さんと幸子さん

■弁護士 穂積学さん(28)幸子さん(38)夫妻

 白河市出身の弁護士穂積学さん(28)と、同じく弁護士で横浜市出身の妻・幸子さん(38)が仕事の拠点を神奈川県から白河市に移し、市内に法律事務所を開設した。「東京電力福島第一原発事故の速やかな賠償を通じ、被災者救済と福島復興に役立ちたい」と誓いを新たにしている。
 2人は共に平成22年に司法試験に合格。平成23年12月に横浜弁護士会に登録し、仕事に就いた。翌年2月、同弁護士会恒例の若手弁護士が出演する劇で共演したのをきっかけに交際が始まり、同年9月に結婚した。
 共に東京電力福島第一原発事故に伴う賠償を求める住民を支援する「福島原発被害者支援かながわ弁護団」のメンバー。学さんは弁護団活動の一環として、いわき市の仮設住宅などを訪問、被害者の相談に応じたり、被害者の代理人としてADR(裁判外紛争解決手続き)の申し立てを行っていた。
 活動を続ける中で、原発事故が被害者の財産ばかりでなく、生活全てに影を落としている状況に驚いた。本県の外側に身を置くのではなく、古里に根を下ろして苦しむ人の支えになりたいと思うようになった。
 司法修習生時代、多忙な中、時間をやりくりしながら被災地でボランティア活動をした経験を持つ幸子さんも思いは同じ。女性弁護士の少ない本県で、救いを求める女性の声を受け止めたいとの強い思いを持っていたこともあり、2人で白河に事務所を構えることを決めた。
 県弁護士会白河支部に登録し仕事をスタートさせた。2人が真っ先に気付いたのは被害者間で賠償や法律問題に関する情報格差が予想以上に大きいことだった。「法律の壁の前で立ちすくみ、途方に暮れている被害者のためにも、分かりやすく正確な情報を広く伝えなければ」と強く感じた。
 事務所開設から1カ月。「福島の人は辛抱強い。でも、もっと権利を主張してもいいのに...」と神奈川県での経験と比較して感じることもしばしばだ。それでも「今はさまざまな人の話を聞かせてもらい、一から信頼関係を築いていくことが大切」と話し、努力の積み重ねが、困っている人々の問題解決と希望につながると信じている。

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