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放射線 放射性物質 Q&A 喉押さえると痛み甲状腺がん心配

 最近、喉を押さえると痛みを感じるようになりました。東京電力福島第一原発事故で放出された放射性ヨウ素の内部被ばくの影響で、甲状腺がんが発症したのではないかと心配しています。大丈夫でしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■痛みは種々の疾患で発生現時点でがん考えにくい

 甲状腺は頸部(けいぶ=首)の前面にある臓器で、チョウが羽を広げて喉の上に乗っているような形をしています。喉の痛みは上気道の炎症(急性上気道炎)やリンパ節の腫れなど、種々の疾患で生じ、甲状腺の疾患でも起きることがあります。
 最も一般的なのは、亜急性甲状腺炎です。通常はウイルス感染に引き続き起こり、感染によって甲状腺の細胞が破壊されることから、一過性で甲状腺のホルモンが過剰に出ます。このため前頸部の痛み(自発痛や圧痛)とともに、動悸(どうき)や手の震えなどの甲状腺機能亢進(こうしん)症の症状が一過性で見られます。
 診察所見、甲状腺ホルモン検査や超音波診断などで診断され、治療はステロイド剤や抗炎症剤などによって甲状腺の炎症を抑えるのが一般的です。動悸などの症状が見られる場合には、対症療法で症状を低減させることがあります。
 一方、甲状腺がんの場合、喉の部分のしこりに気付くなどによって発見されるのが一般的で、甲状腺自体に痛みを生じることはあまりありません。お尋ねの症例の場合、現時点では甲状腺がんは考えにくいと思います。
 県内では原発事故直後から、放射性物質に関する食品の出荷制限、摂取制限が徹底的に行われたことで、放射性ヨウ素の内部被ばくによって甲状腺がんが増えることも考えにくい状況です。ただ、喉に痛みがある場合、どこかに炎症が生じている可能性があります。医師に一度相談してみるとよいでしょう。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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