東日本大震災アーカイブ

県警、告発を受理 汚染水問題で東電捜査へ

 県警は11日、東京電力福島第一原発事故に伴う汚染水問題で東電と同社幹部が適切な対応を取らなかったのは公害犯罪処罰法に違反するとして「福島原発告訴団」が提出した告発状を受理した。特別捜査チームを編成し、本格的な捜査に着手する。県警は「法と証拠に基づき適切に捜査する」としている。
 武藤類子団長ら3人は9月3日、東電と広瀬直己社長ら現・旧幹部32人は(1)適切な対応を取らず、地上タンクから大量の高濃度汚染水を海に漏えいさせた(2)原子炉建屋地下に流れ込んだ地下水が、放射性物質に汚染されたことを認識しながら対策を怠り、毎日300トン~400トンの汚染水を海に排出させた-として同法違反容疑で告発していた。
 武藤団長は11日、県庁で記者会見し、「検察の不起訴処分は納得できない。県警には東電本社や福島第一原発などへの強制捜査を期待する」と話した。
 告訴団は東電幹部や政府関係者らを業務上過失致死傷と公害犯罪処罰法違反の容疑で告訴・告発したが、東京地検は9月、全員を不起訴処分とした。告訴団は検察当局の不起訴処分を不服として、16日に東京検察審査会に審査を申し立てる。
 東電は「捜査に関わることはコメントを差し控えたい。捜査が始まれば真摯(しんし)に対応する」としている。
 告訴団は同日、汚染水問題の原因を「自社の信用悪化を懸念して遮水壁の構築を先送りにした東電役員の判断ミス」とする上申書を県警に提出した。

カテゴリー:福島第一原発事故