東日本大震災

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福島-沖縄線再開の方向 日航幹部が表明 年明けにチャーター便

日岡総務本部長に要望書を手渡す内堀副知事(中央)。(内堀氏を除き右から)同席した今井、若松、甚野、安部の各氏

 日本航空は福島空港発着の沖縄定期路線を再開する方向で検討に入る。11日、内堀雅雄副知事の要望に対し、日航幹部が明らかにした。年明けにもチャーター便を運航し、状況を見て判断する。同社は平成21年1月、燃料価格高騰を理由に同路線を廃止した。県は、日航とチャーター便の運航開始時期や便数などを協議する一方、定期路線の早期再開を働き掛ける。
 東京都内の日航本社を訪れた内堀副知事は「沖縄路線の運航は本県の復興の象徴になる」として、早い時期の運航再開を要望した。これに対し、日岡裕之執行役員総務本部長は「要望をグループとして真摯(しんし)に検討する」と前向きな姿勢を示した。
 県などによると、その後の非公開の協議で、年明けにもチャーター便を運航する案が提示された。沖縄路線を再開した場合の需要確保を見極めるためだという。
 要望活動を終えた内堀副知事は、取材に対し「今後の日航との議論では会社側に対する支援の在り方も検討する。チャーター便を皮切りに、できるだけ早い時期に定期路線が戻るよう働き掛ける」と述べた。
 日航は6月、被災地支援の一環として東北応援プロジェクト「行こう!東北へ」をスタートさせ、観光振興などの取り組みを進めている。震災から2年7カ月を迎え、運航再開に向けた協議が始まることについて、内堀副知事は「復興を加速化したい本県側と、経営再建を果たし新たな社会貢献をしたいという会社側のタイミングが合った」と説明した。
 沖縄路線再開の要望活動を続けている公明党の若松謙維参院議員(比例、郡山市在住)と、党県本部代表の甚野源次郎県議、幹事長の今井久敏県議、幹事長代理の安部泰男県議が同行した。

■本県と沖縄 官民一体で交流

 本県と沖縄県は平成15年2月、「うつくしま・ちゅらしま交流宣言」をして、官民一体となった交流を重ねてきた。路線再開が実現すれば観光振興などにつながり、本県の復興を後押ししそうだ。
 交流宣言は、米国同時多発テロで観光客の入り込みが落ち込んだ沖縄県を支援しようと、本県がツアーを実施したことがきっかけとなった。その後も両県で、伝統芸能やスポーツ行事、シンポジウムなどを開催してきた。
 東京電力福島第一原発事故の影響で、県民約700人が沖縄県内で避難生活を送っており、定期路線が運航されれば古里との行き来が容易になる。
   ◇  ◇
 沖縄路線は平成6年に運航を開始し、廃止になるまでの14年5カ月間で102万人余が搭乗した。修学旅行の需要も高く、年間に50校以上が利用した。
 平均搭乗率は60・5%で、最も高かったのは20年度の71・7%。しかし、「観光ツアー客の単価が低く、採算を取るには厳しい状況だった」(日航関係者)という。
 廃止後に28便のチャーター便が運航されたが、いずれも満席状態になっている。県空港交流課は「路線再開を実現し、沖縄県民に原発事故から復興する本県の姿を見てもらいたい」としている。

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