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放射線 放射性物質 Q&A 原爆被爆者の医療体制は

 長崎県には今も多くの長崎原爆の被爆者がいると聞きます。そうした方々への医療体制はどのようになっていますか。東京電力福島第一原発事故の影響を今後見守る必要がある本県の参考になるのではないかと思います。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■無料で検診や治療が可能 検診結果蓄積し健康管理

 長崎県内に住んでいる被爆者は現在約6万人で、そのうち約7割に当たる約4万人が長崎市にいます。既に被爆から68年が経過し、被爆者の高齢化が進んでおり、平均年齢は77歳余りとなっています。
 被爆者医療の基本となっているのが被爆者健康手帳です。被爆者健康手帳を持っている人は「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)」に基づいて検診を年に2回、無料で受診することができます。さらに、指定された疾病の治療が無料で受けられます。被爆者検診は長崎市内にある被爆者健康管理センターや一般の医療機関で受けることができます。
 私が勤務する長崎大学の原爆後障害(こうしょうがい)医療研究所では、原爆被爆者の健康管理をより効果的に行うため、300万件を超える検診の結果をコンピューターに記録しています。被爆者の方の診療の際、かかりつけの医師が被爆者手帳番号を入力すると、過去の検診結果がディスプレーに表示され、医師と被爆者の方が一緒に検査値を見ながら健康状態を確認できるようになっています。
 ちなみに、被爆者検診を年に1回以上受診している方は、全く受診しない人より生存率が1~2割高いことが調査の結果で分かっており、定期的な検診の受診が効果的であることが示されています。
 このように、長崎では行政と医療、研究機関が一体となった検診事業により、被爆者の皆さんの健康を守る取り組みが進められています。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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