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放射線 放射性物質 Q&A 汚染水に含まれるトリチウムとは

 東京電力福島第一原発で起きている汚染水漏れの問題で、汚染水に含まれている放射性物質のトリチウムの測定値がよく報道されています。流出しているトリチウムの性質や健康影響について教えてください。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■外部被ばくのリスク低い 体内に入っても排出する

 トリチウムは別名「三重水素(さんじゅうすいそ)」と呼ばれ、化学的には水素と同じ性質を持ち、環境中ではトリチウム水という水のような物質として存在します。身近なところでは、トリチウムが外国製の夜光時計の文字盤などに使用されています。
 トリチウムは物理学的半減期が約12年で、低いエネルギーのベータ線という放射線を出す物質です。ベータ線自体は容易に遮蔽(しゃへい)されるため、人体に対する外部被ばくの影響を考慮する必要はあまりありません。
 その一方で、トリチウムが体内に大量に取り込まれた場合には、内部被ばくのリスクとなり得ます。ただ、放射性ヨウ素が甲状腺に集積するのとは異なり、トリチウムは特定の臓器に集積することはなく水と同様、全身に分布し、約10日で半分の量のトリチウムが排せつされます。つまり、トリチウムの生物学的半減期は約10日であるといえます。
 仮に、1リットル当たり5000ベクレルのトリチウムが含まれる水を1年間飲んだ場合、被ばくする線量は0.09ミリシーベルト(90マイクロシーベルト)程度となります。
 福島第一原発における汚染水の問題と関連して、トリチウムに関する懸念が高まっていますが現在、トリチウムが検出されているのは福島第一原発の周辺に限られており、県内で生活しているからといって、住民がトリチウムによって被ばくすることはあり得ません。また、上水道にトリチウムが混入することも考えにくい状況です。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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