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放射線 放射性物質 Q&A 甲状腺腫への対応は

 15歳の娘が学校の健康診断で「甲状腺の腫大」と言われました。医療機関で受診すると、「単純性甲状腺腫」と診断されました。東京電力福島第一原発事故との関係はあるのでしょうか。どうしたらよいでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■「単純性」は治療の必要なし定期的なホルモンの検査を

 甲状腺腫とは、文字通り甲状腺が全体的に大きく腫れ上がる状態です。甲状腺機能亢進症や、逆に甲状腺機能低下症でも甲状腺腫が見られますが、甲状腺機能が正常でも甲状腺腫が見られることもあります。
 その多くは、甲状腺に対する自己抗体が陽性である慢性甲状腺炎(橋本病)ですが、中には自己抗体も陰性である場合があります。これを単に甲状腺が腫れ上がっている状態、つまり「単純性甲状腺腫」と呼びます。
 単純性甲状腺腫は、他の甲状腺の疾患と同様に女性に多く、男性の5倍~10倍見つかります。単純性甲状腺腫では特に甲状腺ホルモンに異常がありませんので、治療の必要はありません。しかし、甲状腺腫が大きくなりすぎて日常生活に支障を来す場合は甲状腺ホルモンを投与する場合があります。
 これまでの調査では放射線被ばくによって単純性甲状腺腫が増えたという報告はありません。また、単純性甲状腺腫を長期間観察した調査では、将来的に甲状腺がんのリスクが高まらないことが分かっています。
 一方、単純性甲状腺腫を持つ人の一部の人が、その後甲状腺機能亢進症(バセドウ病)になるという報告もあります。このため単純性甲状腺腫と診断された場合は年に一度程度、定期的に検査、具体的には甲状腺ホルモンの検査をお勧めします。もし途中で甲状腺機能亢進症を疑わせるような症状、具体的には動悸(どうき)や手の震え、体重の減少などを感じることがあれば、医師に相談してください。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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