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放射線 放射性物質 Q&A チェルノブイリの甲状腺がん発症状況は

 昭和61年に発生したチェルノブイリ原発事故の影響によって子どもの甲状腺がんの発症が増加したと聞きました。具体的には、どのような年齢層の子どもに甲状腺がんが多く発症したのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■事故当時0~3歳で多発食品の摂取制限取らずに

 チェルノブイリ原発事故によって現在のベラルーシ共和国、ロシア連邦、それにウクライナにまたがる広大な土地に放射性物質、特に放射性ヨウ素と放射性セシウムが放出されました。
 事故発生当時、放射性ヨウ素に汚染された牛乳や野菜といった食品の摂取に対する規制を取らなかったため、それらを摂取した住民の内部被ばくが拡大しました。避難した住民の甲状腺の内部被ばく線量は平均で200~300ミリシーベルトであったと考えられています。
 事故から5年余りが経過した平成2年から5年余りにわたり、長崎大や広島大の専門家が参加して、チェルノブイリ周辺3カ国で事故当時10歳未満だった住民約12万人を対象とした甲状腺のスクリーニング検査が行われました。その結果、事故当時0~3歳だった世代で甲状腺がんが多発していることが示されました。特に、事故による放射能汚染が最も深刻だったベラルーシ共和国のゴメリ州では、小児甲状腺がんが多発したことが明らかになっています。
 一般的には、小児であっても甲状腺がんは加齢に従ってその発症頻度が上昇すると考えられています。しかし、チェルノブイリでは放射線感受性が高い事故当時0~3歳という世代に甲状腺がんが集中して見られたこと、また汚染が最も深刻であったゴメリ州で多発したことなどから、この地域で見られた小児甲状腺がんと事故による放射線被ばくには因果関係があったことが科学的に証明されています。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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