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記者が歩く福島の今 郡山・食品検査 一点一点入念に厳しく

JA郡山市が実施しているコメの全袋検査

 郡山市役所に隣接するニコニコこども館2階の一角には、食品の放射性物質測定コーナーが設けられている。市民が自家栽培の野菜や果物などに放射性物質が含まれているかどうか調べてもらおうと訪れる。市保健所放射線健康管理課主査の安藤克広さん(33)は「7月には2725件の持ち込みがあった。関心は高い」と話した。

 同市は平成24年3月、食品の放射性物質測定を始めた。行政センターや公民館など43カ所で受け付けている。土、日曜日も実施している施設もある。正確に測るために食品は500ミリリットル必要で、洗った上で細かく刻まなければならない。

 予約した市民が食品1点を持ち込み、検査員に渡す。種類や生産者、採取場所を記入し、測定が始まる。検査員が食品を専用容器に入れ、機器にセットする。パソコン画面上に数値が表示される。約25分で終了だ。

 会津若松市の実家から送られてきたジャガイモを測定してもらった。結果は「不検出」だった。安藤さんは「測定で安心につながるはず」と話した。

 ただ、食品を細かく刻むことで食材として利用できなくなるケースがある。このため、検査に2の足を踏む市民もいるという。県北地方の「あんぽ柿」で利用している果実を壊さずに放射性物質を計測できる非破壊式の機器の普及が安全管理には欠かせないと感じた。

 郡山市片平町にあるJA郡山市の倉庫で、コメの全袋検査が行われている。25年産の検査はほぼ終わり、約86万2千袋を調べた。一袋ずつベルトコンベヤーに置き、機器を通す。25年産から放射性物質は検出されていない。販売流通課係長の桑田勇幸さん(39)は「風評被害でコメの販売は厳しい。地元産が安全であることを訴え続けるしかない」と力を込めた。

 食は生活の基本だ。日々口にするものは安全であってほしい。県産食材の風評被害が続いているが、検査など地道な努力を続けることで、より確実な「安全・安心」に結び付けられるはずだ。(本社整理部・秋山 義仁)
※食品の放射性物質の基準値 厚生労働省が原発事故後に設けた暫定基準値を平成24年4月に見直した。一般食品は1キロ当たり100ベクレル、乳児用食品と牛乳は50ベクレル、飲料水は10ベクレル。1年間続けて摂取しても内部被ばく線量が年間1ミリシーベルトを超えないよう設定されている。

カテゴリー:震災から2年9カ月

食品の放射性物質測定の様子。検査員(右)が食品を機器にセットし、測定を始める。左は取材する秋山記者

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