東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

中間貯蔵施設受け入れ要請 政府 19平方キロ国有化提示

 東京電力福島第一原発事故に伴う除染で発生する汚染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、石原伸晃環境相と根本匠復興相(衆院福島県2区)は14日、福島市で佐藤雄平知事と、建設候補地がある大熊、双葉、楢葉の3町長に面会し、建設受け入れを要請した。第一原発周囲など3町の合わせて約19平方キロを国有化する計画と、貯蔵から30年以内の県外搬出を法制化する意向を伝えた。佐藤知事は建設の可否について検討に入る考えを示した。
 石原氏は「中間貯蔵施設の整備は福島の復興に必要不可欠。住民には大きな負担を掛けるが、誠心誠意説明する。受け入れてほしい」と要請。根本氏は国有化の際の補償や住民の生活再建に政府一丸となって取り組むことを強調した。
 政府は中間貯蔵施設の建設に伴う国有化のエリアとして大熊町の約11平方キロ、双葉町の約5平方キロ、楢葉町の約3平方キロを提示した。いずれも6号国道の東側で、搬入する廃棄物の放射性物質濃度に応じた貯蔵施設を複数設ける。汚染土壌などの分別施設や焼却炉なども整備する。
 計画では、施設は2800万立方メートルの廃棄物の貯蔵が可能で、総事業費は約1兆円の見込み。政府は平成27年1月の使用開始を目指し、来年の早い段階で同意を取り付け、4月にも工事に着手したい考えだ。26年度予算案に土地買収などの費用として約1千億円を計上する。
 佐藤知事は会談後、記者団に「法制化は設置検討の大前提。方向性が示されたことで、建設を検討することを受け入れる」と述べた。面会では地元に対し、丁寧に説明することなどを求めた。
 政府は今後、4町に対する住民説明会を開催する。県は政府が示した建設計画の妥当性を検証する。その上で各町の考えをまとめ、国に受け入れるかどうかを伝えるとみられる。
 出席した渡辺利綱大熊町長、伊沢史朗双葉町長、松本幸英楢葉町長は住民説明会などを踏まえ、判断する考えを示した。出席者からは「(中間貯蔵施設は)迷惑施設としての色合いが濃い」として、国に自由度の高い交付金制度の創設などを求める意見も出た。

■用地買収通常の補償に準じ算定
 政府は中間貯蔵施設の用地買収について、通常の公共用地取得の補償に準じる方針を示した。強制収用はせず、任意で買収する。
 公共事業の用地取得で適用する損失補償基準に基づいて不動産鑑定士らの知見を参考に算定する。原発事故の影響で土地の評価額は下がっているが、復興後に価値が回復すると見込み、その分を反映させる。東電との財物賠償合意前に売却したとした場合も、財物賠償額に影響は出ない。
 土地の所有者は数千人に上るとみられ、地元が受け入れを決めた場合でも、買収は難航が予想される。国は補償に加え、社会基盤整備、新たな産業の創出と企業誘致、各町の安定的な行政運営を支援することを約束した。根本氏は「地域住民の生活再建、立地地域の振興に向け、政府全体で汗を流す」と述べた。

■富岡の既存施設双葉郡のがれきなど搬入
 政府は富岡町の既存の管理型処分場には双葉郡8町村から出る生活ごみや避難区域の災害がれきなど計65万立方メートルを搬入する計画も示した。フクシマエコテッククリーンセンターの活用を目指している。最終処分場として委託する。面会の席上、石原氏が富岡町の宮本皓一町長に理解を求めた。

カテゴリー:福島第一原発事故

中間貯蔵施設をめぐり、佐藤知事(右から2人目)らとの会談に臨む石原環境相(左端)と根本復興相(左から2人目)

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧