東日本大震災

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津波被災地を桜いっぱいに 住民有志、3000本植樹計画

桜を植える場所を指し、復興への期待を込める鈴木区長(左)と遠藤さん=いわき市平豊間

 津波被災地を桜満開に-。東日本大震災で甚大な被害を受けた、いわき市平の豊間、薄磯、沼ノ内の沿岸部延長約4キロに桜など3千本を植樹する計画が住民有志によって始まった。復興事業が完了する平成28年3月ごろに苗木を植え、早ければ2年後の春には咲き誇る。復興のシンボルにするとともに、震災の教訓を後世に伝える。津波被災地では復興後の若者世代の帰還が課題となっている。「大勢の住民が戻ってくるきっかけになれば」。住民の願いもこもる。
 3地区では震災で合わせて213人が犠牲になっており、津波による建物の被害は計約1700棟に上る。大きな傷を負った古里の復興のきっかけに-と鈴木徳夫豊間区長(78)が薄磯、沼ノ内の両区長に協力を呼び掛け、実行委員会を組織した。地元のひまわり信用金庫といわき信用組合も趣旨に賛同し、「さくら基金」として各100万円を寄贈した。
 津波被災地の沿岸には、防災緑地が整備されることになっている。桜は地域住民らの手で緑地の内陸部や地区内の公園などに植える計画。始めは1200~1500本を植樹し、徐々に増やして3千本にする。防災緑地は津波の威力を弱める効果があるが、桜の木を植えることで二重の防御になり、万が一の際には一層の減災効果が期待される。
 桜以外にもコナラ、カシ、スダジイなどを植樹する。土地区画整理事業の設計や工事の発注などを担当している都市再生機構の協力で、同地区の山林から拾ったドングリを平成25年度内に地域住民らに配り、育ててもらう。発起人の一人である遠藤重政さん(75)は「住民が協力して事業を成功させることで、復興に向け絆が強まるはず」と期待する。
 桜が咲く季節に合わせたイベントも企画しており、「桜の名所」として地域活性化にもつなげたい考えだ。鈴木区長は「復興を行政任せにするのではなく、地域でできることをやっていく。子どもたちが桜並木の下を登下校する姿を早く見たい」と夢を膨らませる。


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