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放射線 放射性物質 Q&A セシウムを体外に排出する薬剤は

 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性セシウムの内部被ばくを心配しています。もしも放射性セシウムを体内に取り込んでしまった場合、それを体外に排出できるような薬剤はあるのでしょうか?

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■プルシアンブルーが有効低線量ではメリットなし

 放射性セシウムが体内に取り込まれた場合、特定の臓器に取り込まれることはあまりありません。全身に分布した後に代謝され、最終的には体外に排出されます。例えばセシウム137の物理学的半減期は約30年ですが、実際に体の中に100ベクレルの放射性セシウムを取り込んだ場合、排出されて50ベクレルに下がるまでの時間は大人だと約2~3カ月です。このように体の中に入ってきた放射性物質の量が半分になるまでの時間を「生物学的半減期」といいます。
 それでは、放射性セシウムを体外に排出させるような薬剤は存在するのでしょうか? 現在、プルシアンブルーという色素の一種が放射性セシウムの排出に有効であることが知られています。ただし、プルシアンブルーの適応は、放射性セシウムによる高い線量の内部被ばくが懸念される場合に限られています。内部被ばくが30ミリシーベルトを下回るような場合には、治療によるメリットはないとされています。
 これまでのホールボディーカウンターでの検査の結果、県内で放射性セシウムによる内部被ばくが3ミリシーベルトを超える方は確認されていませんので、現時点でプルシアンブルーでの治療は全く必要ないと考えられます。
 現在、県内では放射性セシウムに関する食品の基準値が設定されており、基準値を超える食品は流通しない体制が取られています。内部被ばくの低減化のためには、基準値を超える食品の摂取をなるべく控え、情報の収集に引き続き努めることが大切です。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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