東日本大震災

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元日に小高の伝統神楽 3年ぶり、自宅で正月の住民出迎え

元日の奉納に向け、心境を語り合った(左から)原大輔さん、原田さん、原優介さん、原亨さん、渡部さん

 南相馬市小高区の旧警戒区域にある相馬小高神社で元日、地区に伝わる片草と八景の神楽が3年ぶりに奉納される。特例宿泊で久しぶりにわが家で年越しした地区民らに、古里・小高ならではの新年を届ける。

■「新年届ける」 相馬小高神社 午前9時から披露
 同神社は東京電力福島第一原発事故に伴う警戒区域の設定で平成24年の新年は立ち入りができなかった。同年4月の区域再編で立ち入りが可能となり、今年の新年は初詣客を迎えることができた。しかし、欠かせないはずの神楽の奉納は、踊り手の住民が避難でばらばらのため、かなわなかった。
 氏子総代は今月、神楽を継承してきた片草青年団と八景神楽保存会に奉納を依頼。両団体は市内外に散らばっている仲間と連絡を取り合い練習を始めた。
 このうち片草青年団はOBも含め8人が参加することになり、これまで5回、地元の集会所に集まって練習した。震災前は後進の育成もあって、11月から平日は毎日練習していた。今回は経験者が出演するため、踊り、太鼓、笛を確認しながらの練習となった。
 震災前、神楽を神前に奉納するのはまだ真っ暗な午前5時半ごろ。その後、依頼のあった地区内の各戸を夜中まで回るのが例年だった。今回は午前9時から片草青年団、同9時半から八景神楽保存会が披露する。
 27日夜、打ち合わせのために原優介さん(27)、原大輔さん(32)、原田正己さん(29)、渡部拓也さん(25)、原亨さん(27)らが原町区の飲食店に集まった。震災発生後、一度も披露する機会がなかった神楽を奉納できることを「うれしい」と素直に喜ぶ一方、大勢の参拝者の前の晴れ舞台に緊張もある。
 5人は「少しでもこうして以前の日常に戻ることはうれしい」と語る。ただ後継者育成や自分たちの将来の生活をどうするかなど悩みも深い。30日の最後の練習で気持ちを整え、本番を迎えるつもりだ。

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