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自宅で正月迎える日まで 現地ルポ・南相馬の小池第二仮設

仮設住宅の狭い部屋で寄り添いながら生活する大井さん一家=南相馬市鹿島区・小池第二仮設住宅

 南相馬市鹿島区の小池第二仮設住宅には市内小高区から避難している住民25世帯、約60人が暮らしている。自治会長の大井守さん(78)は、長引く仮設住宅での生活に疲れを見せながらも、「自宅で普通の正月を迎えることができる日まで頑張るよ」と前を向いた。
 11畳の広さの部屋を薄い仕切りで区切った2部屋に、妻慶子さん(75)と長女一枝さん(50)と寄り添いながら暮らしている。隣の住宅とは木造の壁1枚で区切られているだけで、隣人の会話が聞こえる壁の薄さがストレスの一因になっている。
 慶子さんは原発事故後に転々とした避難生活で体調を崩し、介護が必要になった。週に1度、心療内科に通院している。
 他の仮設住宅と比べ、目立った劣化はないが、気密性が低く結露が発生しやすい欠点がある。自治会長として市に要望して全戸のアルミサッシを二重ガラスに取り換えてもらったが、効果は低かった。冷え込みが厳しい冬場は一晩でバスタオル1枚が水浸しになるときもあり、まめな換気とカビ取りが必要だという。
 仮設住宅で大きな問題となっているのが住民の高齢化だ。ほとんどの世帯主が60歳以上で、車などの生活の足もない住民も多く、助け合いながら避難生活を続けている。25世帯と戸数が少ないこともあり、集会所でお茶会を開いたり、夜は月に2度ほどお酒を飲みながらコミュニティーを守っている。毎朝8時にラジオ体操を続け、健康増進の他、体調を崩している人がいないか確認している。
 自治会副会長の荒木清一さん(64)は「仮設の住民みんなが団結してなんとかやってこられた。ただ仮設を出ることになったときに高齢者が新たな場所でやっていけるのだろうか」と懸念した。

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