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【県議会の定数見直し】 双葉郡の扱い焦点 帰還時期見通せず いわきと広野統合案も

 今年9月の決定を目指し、県議会の議員定数(現行58)や県議選の選挙区割りを見直す協議が今後、本格化するが、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で住民避難が続く双葉郡選挙区(同2)の取り扱いが大きな焦点となる。住民の帰還時期が見通せないため、定数についての議論が難航するとの見方が出ている。一方、広野町からの避難者が多いいわき市と同町を一つの選挙区とする案もあり、浜通りの区割りが大きく変化する可能性も浮上している。

■「見当つかない」
 議員定数は平成22年の国勢調査人口(10月1日現在)を基準に決める。双葉郡8町村の国勢調査人口は7万2822人だが、住民票に基づく25年推計人口(10月1日現在)は6万6692人で6130人(8.41%)減少した。
 国直轄除染の遅れや、政府が計画している中間貯蔵施設の建設などで今後、帰還を諦め住所を移す住民が増えるケースも考えられる。8町村のうち、楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾の6町村は役場機能を移したままだ。
 ある県議は「地域の将来を見通せないため、現在の定数をどう見直せばいいのか、見当がつかない」と打ち明ける。

■特例を
 双葉郡の住民の避難先は県内外に広がっている。国、県に対する要望を聞いて対応するには、県議の数を増やす必要があるとの指摘もある。
 県議会関係者からは「県内外で避難生活を送る住民の声を迅速に把握し県政に反映させなくてはならない。特例があってもいい」との訴えも出ている。

■新たな区割り案
 いわき市と一緒の選挙区にすれば、広野町の復興の速度が上がると主張する県議もいる。
 町民の避難先はいわき市が中心で、有権者の声をまとめて県政に伝えることができるという考えだ。一方、同町には双葉郡の生徒を対象にした中高一貫校が開設される。郡内では「町村会が既に組織され結び付きが強い。復興に向け双葉郡は一つ」との声も根強い。
 古里に戻らない住民への対応も課題になる。双葉郡から会津若松市に避難している男性は「住民票は避難元の自治体にあるが、今後も戻ることは考えていない。県議選の投票先は双葉郡か、実際に生活している会津若松市選挙区のどちらがいいのか判断がつかない」と話す。
 これまで原則、郡・市単位だった都道府県議選の選挙区割りは25年末の公職選挙法改正により、従来の枠組みにとらわれず編成することが可能になった。
 次期県議選は27年秋に行われる予定だ。

【背景】
 都道府県議会の議員定数は5年に一度の国勢調査に基づいて見直す。直近の国勢調査は平成22年に行われたが、本県の県議会は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で、23年11月の県議選を前にした見直しを実施しなかった。県議会は昨年の9月定例会で議員定数問題検討委員会を設け、新たな議員定数と選挙区割りを協議している。定数などを変更する場合、条例改正と1年程度の周知期間が必要になるとして、今年6月までに方向性を打ち出し、9月定例会での決定を目指している。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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