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今を生きる バチカンのミサで演奏 邦人初、世界の無事祈り

ミサの演奏のリハーサルでオルガンに向かう青田さん(右から2人目)

■南相馬のオルガニスト青田絹江さん 51
 南相馬市出身のオルガニスト青田絹江さん(51)は昨年12月24日のクリスマスイブ、世界のカトリック信徒約12億人の祈りが集まるバチカンのサンピエトロ大聖堂でパイプオルガンを演奏した。イブのミサで日本人が演奏するのは初めて。同市に帰省した青田さんは「特別な場所で日本の無事、世界の無事を祈ることができた」と振り返った。
 青田さんは原町高から国立音大に進み、オルガニストとして国内外で活躍している。現在、東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂(東京都文京区)の専属オルガニストを務める。
 カトリックのつながりから、1万人もの信徒が集うクリスマスイブのバチカンのミサでパイプオルガンを演奏する大役を任された。
 ミサの前奏は青田さんの夫パブロ・ペレーズさんが今回のために作曲した作品を演奏した。後奏ではルイ・ヴィエルヌのオルガン交響曲第1番を奏でた。
 ローマ法王フランシスコが就任後初のクリスマスイブのミサで、説教は光と闇をテーマとした。青田さんの両親、多くの友人、知人は被災地である南相馬市で生活している。「皆さんに光が当たるように」という願いがこもった法王の言葉をかみしめながら、自身も祈りをささげたという。
 青田さんは、東京の自宅と南相馬を行き来する生活を続けている。古里の人々は心のどこかに不安を抱えており、震災前より周囲との結び付きを強く求めるようになったと感じている。「幸せは自分一人では成り立たない。全ての人に行き渡ってこその幸せ」というキリスト教の教えの大切さを、あらためて感じている。

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