東日本大震災アーカイブ

津波犠牲捜索遅れ賠償を 小高、東電提訴へ遺族会設立

 東京電力福島第一原発事故の影響で東日本大震災による津波の犠牲者の捜索などが遅れたとして、南相馬市小高区の遺族は東電に集団で精神的苦痛への損害賠償などを求める「東日本大震災南相馬市小高区遺族会」を設立した。早ければ3月にも、原子力損害賠償紛争解決センターへ申し立てる。捜索の遅れで、東電に慰謝料などを集団で求めたのは浪江町の遺族会に続き2例目。
 現在も全域が原発事故の避難区域にある小高区では、行方不明者を含め146人が犠牲になった。遺族会には小高区沿岸部の109世帯363人が参加している。
 原発事故を受けて、小高区は避難指示区域となり、住民は避難を余儀なくされた。原発事故発生後、県警が行方不明者の捜索を再開した平成23年4月7日まで、約1カ月間にわたり捜索や救出活動ができなかった。遺族会は肉親を捜しに行けず大きな精神的苦痛を被ったとして、裁判外紛争解決手続き(ADR)を通じて慰謝料を求める。また、東電に捜索が遅れたことへの正式な謝罪を求める。
 両親を津波で失い、同市原町区の仮設住宅で避難生活を送っている宮口公一会長(56)は「両親を自らの手で捜すことさえできなかった悔しさは消えない。東電に誠意を示してもらいたい」と話している。

カテゴリー:福島第一原発事故