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「福島の今」 【福島第一原発】 廃炉へ燃料取り出し

廃炉に向けて日々、作業が続く東京電力福島第一原発

 東京電力は昨年11月、福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しを始め、廃炉工程は大きな節目を迎えた。爆発した原子炉建屋からの本格的な燃料取り出しは世界初の試みで、作業は平成26年末までに完了させる見通しだ。1533体のうち、17日現在、352体の移送が完了。東電は「年内完了に向けて順調なペース」としている。

 政府、東電が示す廃炉工程は、4号機プールからの燃料取り出し開始で「第二期」に入った。第2期では1〜3号機プールの燃料も取り出す計画だ。

 ただ、1〜3号機プールの燃料取り出しは、4号機より困難が予想される。建屋の放射線量が高く、3号機ではプールのある5階部分で毎時1000ミリシーベルトを超える区域も確認されている。東電は遠隔操作の機器で床面を削るなどして除染を試みている。

 「第3期」では工程のヤマ場となる格納容器内の溶融燃料の取り出しが始まる。しかし、溶けた燃料の形状やどの辺りにあるのかは把握できていない。政府、東電は最も早いケースで第3期に入るのを、32年度前半とみている。


■汚染水問題 依然深刻 トリチウム分離できず

 原発事故は汚染水問題が収束していない。20日には汚染水を保管しているタンクの上部で漏えいが見つかった。1リットル当たり2億4000万ベクレルの高濃度汚染水がタンクを囲むせき外に約100トン流出した。依然として深刻な状況は続いている。

 汚染水は地下水が原子炉建屋に流れ込むことで1日約400トン発生しているとされる。政府と東電は汚染水の浄化に向け放射性セシウムなどの放射性物質を取り除く多核種除去設備(ALPS)を増設する。しかし、汚染水から放射性物質のトリチウムを完全に分離する技術は確立されていない。

 政府は昨年末に今後のトリチウムの扱いを議論する有識者の作業部会を発足。貯蔵を続ける場合と海洋放出する場合の問題点をそれぞれ検討している。

 原子炉建屋への流入前にくみ上げた地下水の海洋放出をめぐっては、東電が地元の漁業関係者から同意を取り付けられなかった経緯がある。仮に政府がトリチウムについて海洋放出の方針を決めた場合も、地元の理解を得られるかは不透明だ。


■津波対策に防潮堤設置

 廃炉作業が続く福島第一原発を地震、津波が再び襲う可能性はゼロではない。このため、東京電力は海抜約10メートルの場所に仮設防潮堤(高さ約2・4〜4・2メートル)を完成させるなど対策を講じている。

 震災では、地震により福島第一原発の原子炉建屋やタービン建屋などの主要な機器・配管に大きな損傷はなかったとしている。一方、津波によって非常用ディーゼル発電機などの電源設備や冷却用海水ポンプなどが浸水して使用不能となった。


■ロボット開発課題 作業員立ち入り難しい

 原発の廃炉作業をめぐっては、作業員が直接立ち入ることが難しい放射線量の高いエリアが多くあり、作業を担うロボット技術の開発が課題となっている。

 政府は廃炉対応のロボット技術の開発が、災害対応や除染、介護、宇宙などの多岐にわたる分野で応用が可能である点に着眼。浜通りをロボット研究開発の最先端地域とする「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」を打ち出した。原発事故ではこれまで、千葉工業大が中心となって開発した災害対応ロボット「Quince(クインス)」が福島第一原発の建屋内部を調べた。

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