東日本大震災

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大沼高の劇「シュレーディンガーの猫」 4月に相馬公演 困難に負けず輝いて

公演に向けて稽古に励む大沼高演劇部員

 県演劇コンクール最優秀賞に輝いた会津美里町の大沼高演劇部の創作劇「シュレーディンガーの猫~Our Last Question~」が4月4日、東日本大震災の津波被害を受けた相馬市で初めて公演される。東京電力福島第一原発事故で避難した女子高生と避難先の同級生がぶつかりながら心を通わせていく作品で、困難に負けず生き抜くことの大切さを訴える。同6日には東京・新宿でも特別公演が行われる。生徒たちは「震災と原発事故を風化させないよう、被災地の思いを伝えたい」と意欲を燃やしている。
 大沼高演劇部の相馬公演は部員14人の熱い思いで実現する。震災と原発事故の影響が残る中、演劇鑑賞を通じて前向きに生きる気持ちを持ち続けてもらおうと意見が一致した。
 約1カ月に迫った公演に向け、生徒たちは毎日、2時間以上の稽古に励んでいる。相馬公演から、これまでは音声や照明などを担当してきた1年生もステージに上る。
 被災地の子どもたちに演劇鑑賞の機会を設ける活動を続けているボランティア団体「東日本大震災子ども舞台芸術支援対策室」(本部・東京都)が主催し、福島民報社が復興戦略事業の一環として共催する。
 東京では、同対策室主催の芸術舞台「3・11を忘れない」の演目の一つとして披露される。震災復興を後押しするイベントで、東北地方からは唯一、舞台に登場する。
 大沼高演劇部のシュレーディンガーの猫は、会津地方の高校に避難した女子高生と転校先の同級生が、さまざまな葛藤を乗り越えて友情を育む物語で、平成24年の県演劇コンクール最優秀賞に輝いた。脚本を手掛けた顧問の佐藤雅通教諭(46)は昨年8月、この作品で全国教育連盟などが主催する脚本賞「晩成書房戯曲賞」の最高賞を受けた。これまで、地元の仮設住宅や東京・下北沢の劇場などで約20回上演された。
 約165のプロの演劇、音楽団体などが加盟する東日本大震災子ども舞台芸術支援対策室の長谷詔夫代表は「被災地の子どもたちの心の復興につながる公演にしたい。さらに演劇を通して"福島の今"を東京でも伝えたい」と話している。

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