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放射線 放射性物質 Q&A 急性症状が出る被ばくとは

 放射線被ばくによって鼻血などの急性症状が起きることがあると聞いたことがあります。どのくらいの被ばくをするとそのような症状が起こるのでしょうか。東京電力福島第一原発事故ではあり得ますか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■「しきい値」以上で出現する 県内の一般住民では出ない

 放射線被ばくによる急性症状の特徴として、放射線量の「しきい値」が存在していることが挙げられます。つまり、それぞれの急性症状は、「しきい値」と呼ばれる、ある一定の線量を超えない限り、出現しないということがいえます。
 例えば、白血球や赤血球、血小板などの血液細胞を作っている骨髄の細胞が500ミリシーベルト以上を一度に被ばくすると、骨髄の細胞数が減少することが知られています。このため、白血球減少による感染症を引き起こしたり、赤血球減少による貧血、あるいは血小板減少によって出血が止まりにくいといった症状が起こることになります。
 一方で、500ミリシーベルトを下回るような線量の被ばくによっては、急性症状が起きることはありません。
 また、非常に高い線量の放射線を一度に被ばくすると、「急性放射線障害」と呼ばれる、さまざまな症状(脱毛、消化器症状、放射線やけどなど)が起きます。残念ながら現代の最新医療を用いても8000ミリシーベルト(8シーベルト)を超えるような高い線量を一度に被ばくした方を救命するのは、困難とされています。
 3年前の東京電力福島第一原発事故以降、現在までに県内に住んでいる一般の方の中で放射線被ばくによる急性症状を起こすような線量を被ばくした方はいません。このため、例えば、県内で子どもが鼻血を出すような症状が見られた場合でも、急性放射線被ばくによる血小板減少で起きた症状とは考えにくいといえます。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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