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放射線 放射性物質 Q&A チェルノブイリで急性症状は出たか

 1986年に発生したチェルノブイリ原発事故では、原発の緊急復旧作業に当たっていた作業員や、原発周辺にいた住民の中には、急性放射線障害を発症したり、死亡したりした人はいたのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■復旧作業員の多くが発症 周辺の住民には見られず

 チェルノブイリ原発事故の発生直後、多くの消防士や軍人が事故の復旧作業に当たるために原発内に入りました。特に事故発生当初は高い線量の放射線から身を守るための手だてが十分ではなかったため、作業員の多くが極めて高い放射線量の被ばくをしました。この結果、作業員134人が急性放射線障害を発症し、このうち28人が3週間以内に死亡しました。
 被ばく線量と死亡率の関係を見ると、4000ミリシーベルト以下の被ばくをした90人余りの中で亡くなった方は1人でした。これに対し、4000~6000ミリシーベルトの被ばくをした22人のうち7人が重度の感染症や皮膚、腸管の障害などで亡くなっています。さらに、同様の障害で亡くなった人は6000ミリシーベルト以上の被ばくをした21人の中では20人に上っています。このように急性放射線被ばくによる死亡率は被ばく線量に依存しているといえます。
 一方で、チェルノブイリ原発周辺から避難した住民の中で急性放射線障害を発症した人はいませんでした。避難住民の外部被ばく線量が平均で20~30ミリシーベルトと、原発内での作業員に比べてかなり低かったことによるものです。
 チェルノブイリでは一般住民の外部被ばくによる急性放射線障害は見られませんでしたが、事故初期に放射性ヨウ素で高濃度に汚染された食物、特に牛乳を摂取したことによる、甲状腺の内部被ばくによって事故後数年たってから小児甲状腺がんの多発が見られました。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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