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今を生きる 舞台通し地域に力を 22、23日原町 レ・ミゼラブル上演 希望捨てない姿見せる

公演に向けて練習に熱が入る野村さん(右)ら

■相双の高校生らの演劇団体代表 野村綾子さん 18

 相双地方の高校生らでつくる演劇団体「Étudiant(エチュジオン)」は22、23の両日、南相馬市の原町生涯学習センターで手作りの劇「レ・ミゼラブル<変わらない愛のカタチ>」を上演する。同団体代表で今春、原町高を卒業した野村綾子さん(18)は「若者の力で地域を元気にしたい」と言葉に力を込める。

 同市出身の野村さんは小学生の時、母親と共に劇団四季のミュージカル「ライオンキング」を鑑賞し、舞台の魅力に引き込まれた。舞台俳優に憧れ、演劇部がある原町高への入学を控えた平成23年3月、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた。
 原町高は緊急時避難準備区域に入り、入学式もなく相馬市の相馬高サテライト校での高校生活が始まった。演劇部の活動はできず、バレエやボイストレーニングで活動に備えた。区域解除後、本校舎に戻り、しばらくして演劇部も活動を再開した。2年時に入部した。
 本格的に演劇と向き合う中、19世紀、動乱期のフランスを舞台に人々の愛や信念などを描いたミュージカル映画「レ・ミゼラブル」と出会った。苦難の中、希望を捨てずに生きる登場人物に震災と原発事故の困難を歩む古里の人々を重ねた。
 昨年9月、震災後初めて開かれた原町高の文化祭「柏曜祭」で有志を募り、「レ・ミゼラブル」を上演した。さらに多くの人々に舞台を通して前を向いてもらおうと、仏語で「学生」を意味する名称の団体をつくった。相双地方の高校生や卒業生約20人が公演に向けて取り組んでいる。

小遣い持ち寄り衣装代など確保

 同員は台本の手直しを繰り返し、小遣いやバイト代を持ち寄って衣装や練習場を確保した。今月、市内のNPO法人はらまち交流サポートセンターが支援を申し出た。公演は両日とも午後6時半から開く。入場無料。
 野村さんは4月から親元を離れて上京し、玉川大芸術学部で本格的に演劇を学ぶ。「地元への感謝と自らの夢への一歩となる舞台になれば」と目を輝かせる。


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