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今を生きる シルク・ドゥ・ソレイユ加入 世界に挑戦古里元気に 「一度きりの命-」震災機に決意

新体操選手として最後の演技で、支えてくれた人への感謝を込める弓田さん

■若松出身新体操選手弓田速未さん 22

 「世界で活躍する姿で古里にパワーを与えたい」。会津若松市出身の新体操選手、弓田速未(はやみ)さん(22)=国士舘大4年=は世界各地で公演を行うエンターテインメント集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の一員となった。新体操で培った柔軟性と表現力を武器に1日も早く舞台に立ち、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故で苦しむ本県を勇気づけたいと願う。
 「シルク・ドゥ・ソレイユ」は躍動感ある演技が特徴で、昭和59年にカナダで設立された。米国など3カ所での常設公演と、世界各地での巡回公演を行う。50カ国以上の約1300人が所属する。弓田さんは昨年11月の国内オーディションで合格した。
 公演は常設、巡回ともに2年契約。新しい公演が始まるか、公演中に欠員が出ない限り出演できない。弓田さんは新体操を生かせる国内の舞台で経験を積みながら、出演オファーを待つという。
 会津若松市の門田小4年の時、市内の新体操クラブ「会津ジュニア」で新体操を始めた。会津工高では全国高校総体の個人総合で4位に入賞。国士舘大3年時には全日本学生選手権大会の同種目で3位に入った。
 「シルク・ドゥ・ソレイユ」への挑戦を強く意識させたのが、平成23年3月に古里を襲った震災だった。大学3年のシーズンは命の尊さを表現する内容で大会に臨んだ。演じるうち、生き方を深く考えるようになった。「一度きりの命。やりたいことをやろう」。「男子新体操界の最高到達点」と語る舞台に挑む決意が固まった。
 2月中旬、会津工高で師事した山田智史さん(34)が指導する華舞翔新体操倶楽部(喜多方市)の発表会が喜多方市の喜多方プラザで開かれ、これが新体操選手として現役最後の舞台となった。選んだ曲は人とのつながりがテーマの「糸」。支えてくれた人への感謝を、三分半の発表に込めた。最前列で見守った父伊佐夫さん(58)と母祐子さん(55)は「海外への挑戦は親としては不安だが、本人の夢をかなえられるよう応援したい」と背中を押す。
 「速未」という名は「未来を駆け抜けてほしい」と両親が名付けた。「シルク・ドゥ・ソレイユ」の一員として日本に凱旋(がいせん)することが一番の目標だ。

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