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浄化タンクに汚染水流入 第一原発ALPSトラブル

 東京電力福島第一原発の汚染水から大半の放射性物質を取り除く多核種除去設備(ALPS)の除去能力が低下したトラブルで、東電は19日、ALPSで浄化した水を保管していた地上タンク21基に高濃度の汚染水が流れ込んだ可能性があると発表した。タンク内の合わせて約1万4700トンの水が汚染した恐れがある。ALPSの復旧の見通しは立っておらず、4月中の本格運転は厳しい状況となった。

■来月中の本格運転厳しく
 東電によると、ALPSで浄化した水を保管している地上タンクから18日に採取した水を測定した結果、ベータ線を出す放射性物質濃度が1リットル当たり560万ベクレルに上昇していることが19日に分かった。通常の処理後の水の濃度は数百ベクレル程度で、約1万倍に相当する。
 ALPSで処理した水の保管状況は【図】の通り。敷地南側にある「J1」と呼ばれる地上タンク群で保管している。J1は21基のタンクが連結しており、その中でALPSの水が最初に流れ込むタンクを測定した。東電は除去能力低下で浄化できなかった汚染水が21基全てに行き渡った可能性が高いとみている。1基の容量は1000トンで、18日午前7時の水位は各タンク69・9%だったため、21基のタンク内には約1万4700トンの水がある。
 タンク内の水の放射性物質濃度が高くなり、保管上の安全性が低下したため、東電は21基の水を再び浄化する方針。タンクや配管の除染も必要となる。
 トラブルは、ALPSの3系統のうち1系統の出口で17日に採取した水から、ベータ線を出す放射性物質が1100万~1400万ベクレルと高濃度で検出されたことで18日に判明した。3系統全ての処理を停止した。
 ALPSはトリチウム以外の62種類の放射性物質を除去でき、3系統がフル稼働すると1日に最大で750トンの汚染水を処理できるとされる。10月にはさらに3系統を増設する。政府が新設する高性能ALPSと合わせると最大で1日に2000トンの汚染水の処理が可能とされている。しかし、トラブルによる停止が相次いでおり、処理が計画通りに進むかは不透明となっている。

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