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漁業復活信じ船 新造 覚悟を胸に進水式 来月上旬から試験操業参加

真新しい不動丸の船上で作業をする輝彦さん

■相馬双葉漁協磯部支所に所属 狩野一美さん(72) 長男 輝彦さん(49)

 東日本大震災の津波で損壊した相馬市磯部の小型漁船「不動丸」が新しく建造された。25日、南相馬市鹿島区の真野川漁港で進水式が行われた。
 相馬双葉漁協磯部支所の所属漁船が新造されるのは震災後、初めて。同漁協副組合長で磯部支所長の狩野一美さん(72)が船主で、長男の輝彦さん(49)が船長を務めている。平成3年に建造した以前の船は、震災当日朝の漁を終えて係留していた磯部漁港で津波にのみ込まれ倒壊した。
 新しい船は4・9トン級で、本体が完成したのを機に発注先の鹿島造船脇にある真野川漁港の係留施設で進水式が行われた。輝彦さんらが船上でお神酒をまくなどしておはらいし、航行の安全を祈願した。
 船には漁師仲間から贈られた色鮮やかな大漁旗が掲げられ、浜風に揺らめいた。輝彦さんは「3年ぶりに自分たちの船を取り戻すことができた」と感慨深い表情で見詰めた。
 今後、漁具設備の据え付け工事などを進める。4月上旬からコウナゴ漁の試験操業などに参加する。
 原発事故の影響で海に出られない多くの仲間がいる。磯部漁港の復旧も道半ば。本県漁業を取り巻く環境の厳しさも感じている。それでも覚悟を胸に船を造った。「磯部の漁業が復活すると信じている」と前を向いた。

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