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東電、稼働手続きへ 第一原発地下水バイパス 県漁連が計画受け入れ

地下水バイパス実施に際して要望書を糟谷内閣府室長(中央)と新妻東電常務(右)に手渡す野崎会長(左)

 県漁連は25日、いわき市で組合長会を開き、東京電力福島第一原発の汚染水対策で計画している「地下水バイパス」の受け入れを決めた。決定を受けて東電は早期稼働に向け、県への説明などの手続きに着手する。県漁連は受け入れに当たり、東電と国に対し、排出する地下水に含まれる放射性物質濃度の基準順守や風評被害対策などを要望した。(2面に関連記事)
 地下水バイパス計画で、原子炉建屋に流入する前の水をくみ上げる12本の井戸と、海に排出する移送設備は既に完成し、いつでも稼働できる状態になっている。
 東電は増え続ける汚染水対策として、早期に稼働させたい考えだ。国は今月中に県漁連からの要望に回答する方針を示しており、東電も早期に回答するとした。県や地元自治体などに対しても早急に運用基準や風評対策などを説明する。
 原子力規制委が認可した福島第一原発の廃炉実施計画に地下水バイパスが盛り込まれている。国の審査をあらためて受ける必要はなく、東電は関係自治体などから理解を得られ次第、地下水の排出に踏み切るとみられる。
 組合長会終了後、会議に出席した東電の新妻常正常務は地下水の排出時期を明確に示さなかったものの「関係者に対する説明の過程で時期は決まる。早く進められるように環境を整えたい」との認識を示した。内閣府の糟谷敏秀廃炉・汚染水対策担当室長は「重い要望と受け止めている。漁業者の立場に立ってあらゆる問題(解決)に全力で取り組む」と答えた。
 県原子力安全対策課は「東電からの説明を受けた上で、安全性の担保に必要な対策を東電や国に求めていく」としている。

■排水基準順守を 県漁連、東電と国に要望

 県漁連の組合長会には各漁協の代表者ら約80人が出席した。試験操業に取り組む、いわき市、相馬双葉の主要2漁協が地下水バイパス計画の受け入れ方針を既に決めたのを踏まえ、地下水の排水基準の順守など東電と国に対する要望内容を決定した。内容は【表】の通り。
 当初、県漁連は要望の回答を見極めた上で計画受け入れを最終判断する考えだった。
 組合長会終了後、野崎哲会長は「正式な受け入れは文書による回答を吟味してから決める」としながらも、汚染水対策が急がれている現状に配慮。組合長会の席上で糟谷室長が要望に応じる姿勢を示したため、記者団に「(地下水バイパス計画を受け入れたと)理解していただいて結構だ」と語った。

カテゴリー:福島第一原発事故

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