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都路へ揺れる思い 再生へ一歩 仮設で分散会

仲間と古里について語り合う坪井和博さん(中央)

 「明るい地域を取り戻そう」。東京電力福島第一原発事故に伴い、田村市都路町の避難指示解除準備区域の住民が暮らす同市船引町の福祉の森仮設住宅(36世帯、約80人)で30日、「分散会」が開かれた。4月1日の避難指示解除を前に自治会が企画した。古里への帰還、避難の継続-。約3年間、寄り添いながら過ごした住民はそれぞれの道を歩みだす。
 「若い世代に古里を残すためにも、オールドパワーで都路を取り戻す」。平成23年6月の入居から自治会長を務めてきた坪井和博さん(66)は分散会に先立ち開かれた自治会総会で決意を述べた。
 坪井さんは長期特例宿泊が始まった昨年8月から妻定子さん(65)と自宅で過ごす時間を徐々に増やしてきた。3月末で大熊町での除染の仕事を辞める。自治会長の役も譲り、4月から自宅で暮らす。来春の営農再開を目指し、2月の大雪で壊れたパイプハウスの修理に励むという。仮設住宅に近い借り上げアパートで暮らす長男夫婦と未就学の孫3人も都路に戻る。「元の生活にようやく近づく」
 古里は除染が終わっても、買い物や医療など生活環境が整っておらず、線量への不安などから帰還を迷う住民も少なくない。坪井さんはこの仮設住宅から4月中に地元に戻るのは3、4世帯程度とみている。帰還者を徐々に増やすため、かつてのような集落の行事を復活させるつもりだ。「桜が咲いたら集会所で花見をしよう」。分散会で仲間に語り掛けた。

カテゴリー:福島第一原発事故

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