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「古里にいつ帰れる」 避難区再編2年・南相馬 がれき処理進まず

震災から3年1カ月が過ぎた南相馬市小高区。今もがれきが山積みになっている

 東京電力福島第一原発事故に伴い、南相馬市小高区全域と原町区の一部に設定されていた避難区域が再編されてから16日で2年を迎える。市立小高病院が間もなく再開するなど復興に向けた動きがある一方、避難区域解除までの課題は山積みだ。避難区域内の震災がれきの仮置き場への搬入は、わずか26%にとどまり、宅地除染も3月に始まったばかりだ。「いつになったら帰れるのか」。古里を追われた住民は望郷の思いを募らす。
 ■震災思い出す
 東日本大震災から3年1カ月が過ぎた南相馬市小高区。復旧作業に携わる車両が行き来する6号国道の傍らには、震災がれきが、いまだうずたかく積まれている。14日もがれきの分別作業を行う無数の重機が、忙しく動いていた。
 環境省によると、同市の避難区域のがれきは約19万立方メートルと推定されている。このうち、仮置き場に運ばれたのは約5万立方メートルにすぎない。
 「がれきが片付かないと帰る気持ちにはなれない。震災を思い出してしまう」。小高区から鹿島区の仮設住宅に避難している無職一條嘉明さん(79)は早期の撤去を願った。
 しかし、がれき撤去の道は険しい。可燃がれきの焼却施設は、小高区下蛯沢に建設が予定されているが、放射性物質拡散の懸念などから住民の同意に時間がかかり、稼働は約1年後の来年4月となっている。リサイクルできない1キロ当たり100ベクレル以上の不燃がれきの最終処分法は決まっていない。
 平成29年3月までのがれき撤去完了-。同省が描くシナリオ通りに処分が完了できるかは不透明だ。
 ■焦燥感
 「本当に帰還できる時が来るのか不安に思っている人は多い。しっかりと予定通り除染してほしい」。小高区から原町区の仮設住宅に避難している主婦島尾昌子さん(71)は古里の将来を憂える。「帰りたいとは思っている」。帰還への強い決意を示すが、遅々として進まない除染の現状に心は揺れる。
 国直轄で行われる避難区域の宅地除染は28年4月までに終える計画だ。今年2月に開始する予定だったが、大雪の影響などで3月中旬にようやく始まったばかりだ。
 除染で出た廃棄物の仮置き場は原町区の残り1カ所で、地権者の同意が得られていない。仮置き場が確保できたとしても、作業員の確保が大きな課題となる。環境省は南相馬市の避難区域の除染で1日当たり約3千人が必要としているが、復興や東京五輪での需要による慢性的な人員不足が見込まれる。現場を監督できるような人材も足りない状況という。
 環境省福島環境再生事務所浜通り北支所の狩俣茂雄支所長は「作業員の確保については、事業者側に任せるしかない」と焦燥感をにじませた。
 ■背景
 昨年12月末現在、南相馬市の避難指示解除準備区域は91平方キロで人口1万2092人、居住制限区域は56平方キロで人口506人、帰還困難区域は24平方キロで人口2人。市は避難指示解除準備区域と居住制限区域について、平成28年4月の避難指示解除を目指している。

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