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浜通りに廃炉研究施設 開発機構、国内外の大学教員常駐 28年度末までに

 東京電力福島第一原発の廃炉に向けた研究を推進する国際廃炉研究開発機構は平成28年度末までに、国内外の大学教員らが常駐する共同研究施設「福島復興研究大学連携拠点(仮称)」を浜通りに設置する。溶融燃料の取り出しなどに向けた技術開発を担い、廃炉に関わる人材育成も進める。福島大をはじめ十数校が参加予定で、廃炉作業の加速化を目指す。
 14日、いわき市で開かれた政府の福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想研究会の会合で、開発機構の山名元(はじむ)理事長が福島復興研究大学連携拠点の構想を説明した。
 開発機構は浜通りへの設置を目指しており、実験装置購入費を含めた施設整備費として30億円程度を見込んでいる。大学教員ら約50人が常駐し、高性能の機器を備えた研究室を共同で利用する。溶融燃料取り出しに活用するロボット開発、県内の放射線量低減や、浜通りの農業・畜産業再生に向けた研究を進める。
 浜通りに整備が予定されている廃炉関係の研究施設は【表】の通り。連携拠点は、楢葉町に整備される日本原子力研究開発機構のモックアップセンター、東京電力の福島廃炉技術開発センター(仮称)などと研究内容や各種情報を共有し、廃炉技術の確立を急ぐ。
 開発機構の計画に対し、福島大のほか、原子力関連の学科を持つ東京大など10を超える大学が参加する意向を示している。さらに、世界の英知を結集するため海外の大学教員も受け入れる。ロボット研究などで優れた実績を持つ米国テキサス州のテキサスA&M大が、教員派遣を前向きに検討しているという。
 連携拠点には原子力を専攻する大学院生が長期間滞在し、各大学の教員から廃炉などについての講義を受ける。
 開発機構と文部科学省は昨年9月から今年1月まで計9回にわたってワークショップを開き、廃炉に関わる研究活動の充実や中長期的な人材育成の方策を検討してきた。
 ワークショップに参加した研究者の多くが、福島第一原発の廃炉作業に強い関心を抱いていた。こうした関係者が共同で研究に当たる施設があれば、廃炉関連の技術開発が加速すると判断し、連携拠点の整備に乗り出す。
 山名理事長は「廃炉作業を速やかに進めるため、研究拠点を一刻も早く整備する必要がある」と話している。

【国際廃炉研究開発機構(IRID)】 東京電力福島第一原発の廃炉に向けた研究開発をするため東電など電力各社、日本原子力研究開発機構、原発メーカーなど17法人が参加し、昨年8月に経済産業省の認可を受け設立された。東京都内に事務所を置き、約600人が廃炉に関する研究に携わっている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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