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風評払拭へ新名物 サケのかまぼこ「相馬揚げ」販売へ

希望を込めた「相馬揚げ」を手に笑顔を見せる遠藤組合長

■南相馬の新田川鮭蕃殖漁協

 南相馬市の新田川鮭蕃殖(はんしょく)漁協はサケを使った揚げかまぼこ「相馬揚げ」の生産に乗り出した。東京電力福島第一原発事故の風評被害でサケの販売は途絶えているが、地域の名物となる加工品を生み出すことで風評に打ち勝つ。遠藤利勝組合長(70)は「来春にも発売したい」と意気込んでいる。20日には市内の仮設住宅に配布する予定で、18、19の両日、市内原町区の鮭川食堂で遠藤さんと組合員が製造作業をしている。
 同漁協は約180人の組合員がいるが、東日本大震災の津波の影響などで各地に避難し、「現在活動しているのは10人足らず」(遠藤組合長)という。組合員がいない厳しい状況の中でもサケの繁殖を続けてきた。サケから放射性物質は検出されていないが、風評被害の懸念から出荷はしておらず、毎年数十トンを廃棄していたという。漁協の将来に危機感を抱いた遠藤組合長は、震災前から計画していた「相馬揚げ」の生産で起死回生を図ることを決めた。
 相馬揚げは、サケのすり身にイクラをふんだんに混ぜて作る。イクラは、かくはんしてもつぶれないよう特殊な加工をしており、加工した後も、ぷちぷちとした食感がそのまま残っているのが特徴。食べると、サケの香りが口いっぱいに広がる。来春の常磐自動車道の全線開通に合わせ、高速道路のサービスエリアなどでの販売を計画しているという。
 「頑張っている姿を発信することで、連絡先が分からない組合員と再びつながりができればうれしい」。出来たてのかまぼこを手に、思いを語った。

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