東日本大震災

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福島復興へ決意新たに 再生エネ研の安川さん「期待に必ず応える」

地熱の研究に力を注ぐ安川さん。少しでも本県の復興の力になりたいと願う=福島再生可能エネルギー研究所

 19日に開所式を行った郡山市の産業技術総合研究所(産総研)福島再生可能エネルギー研究所には、今月1日の開所以降、研究者が続々と着任し「研究を通じて復興に貢献する」との決意を新たにしている。研究施設を見学した式の出席者は、研究成果や人材育成、産業集積に期待を寄せた。

 「自分たちが開発した技術を求めて世界中から企業関係者や研究者が集まる場所にしたい」
 総括研究主幹を務める安川香澄さん(50)は福島再生可能エネルギー研究所の数少ない女性研究者の1人だ。開所式に臨み、決意を新たにした。
 地熱発電に使う地中の熱水の動きを地上から把握する研究に力を注ぐ。熱水は地中の岩盤に無数にある亀裂の隙間に存在する。熱水が流れる際に発生する振動や電流などを分析し、地中奥深くの熱水の在りかを探り当てるのが目標だ。技術が確立すれば、効率的に井戸が掘れ、地熱開発が促進される。温泉など周辺環境に影響を与える心配のない開発にもつながる。
 東京都出身。東京大工学部を卒業後、茨城県つくば市の地質調査所(平成13年に産総研に改組)に就職し、地熱の研究を始めた。その後、米カリフォルニア大バークレー校の大学院で修士課程を修了、九州大大学院で博士号を取得した。
 震災と原発事故発生後、被災した福島県民の助けになりたいと考えていた。しかし、原発事故で地熱が再評価され、仕事が忙しくなって何もできなかった。そんな時、郡山市に再生可能エネルギーの研究所を造る構想が浮上した。「自分が行きたい」。上司に直談判した。自分の研究を復興に生かせるチャンスだと思った。
 3月、産総研のあるつくば市から郡山市に転居し、研究生活に入った。大学時代、フィギュアスケート部に所属し、郡山市内で何度も合宿を行うなどして県内に愛着がある。自分のように県外から来て新たな取り組みを始めることで少しでも県民を元気づけ、県外の風評を打破したいと考えている。「県民の大きな期待を感じる。必ず応える」

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