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放射線 放射性物質 Q&A 放射線の人体への健康影響は

 「確定的影響」と「確率的影響」の2種類に分けられるということですが、それどれどのような特徴があるのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■「確定的」と「確率的」影響はしきい値の有無に違いあり

 放射線被ばくの健康影響には、確定的影響と確率的影響という影響の出方があります。確定的影響とは、ある一定の線量(これをしきい値、といいます)を超えるとみられる影響で、多くの急性症状がこの確定的影響に当てはまります。例えば、250ミリシーベルト以上を一度に被ばくすると、男性の精子の減少が一過性に見られますし、500ミリシーベルト以上を一度に被ばくすると骨の中にある骨髄の細胞の減少が見られるようになります。それによって白血球、赤血球、血小板といった血液細胞の減少が起こることが知られています。ただ、しきい値以下の被ばく線量ではこれらの症状は起こりません。
 一方、確率的影響はしきい値が存在せず、被ばくする線量の増加に伴って発症する「確率」が増加する影響のことであり、放射線被ばく後に生じるがんや白血病はこの確率的影響に当てはまります。よく言われるように、原爆被爆者を対象としたこれまでの調査では、200ミリシーベルトを被ばくするとがんで亡くなる確率が1%増加し、それ以上の被ばく線量では、被ばく線量の増加に伴ってがんになる確率が直線状に増加することが分かっています。その一方で、100ミリシーベルト以下の被ばくによるがんのリスクについては、リスクとして小さくなりすぎてしまうため、がんの発症の増加を証明できません。また、植物や昆虫などでは遺伝的影響が確率的影響として見られますが、ヒトではこれまで放射線被ばくによる遺伝的影響は報告されていません。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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