東日本大震災

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菜の花迷路に笑顔咲かせて 「天国から見て」と企画

満開の菜の花畑の中、迷路を作る福興浜団のメンバー

 東日本大震災の津波で77人が犠牲となった南相馬市原町区萱浜で27日、満開を迎えた菜の花畑の迷路作りが行われた。父母と子ども2人を亡くした地元の元JA職員上野敬幸さん(41)とボランティア団体「福興浜団」が、ゴールデンウイーク(GW)に子どもの笑顔が集まる場所にしたいと企画した。上野さんは「上(天国)にいる家族を安心させるためにも、みんなが笑顔になる花で『大丈夫だよ』という気持ちを届けたい」と語る。菜の花迷路は3日から6日まで開放される。

■3日から開放

 昨年9月、上野さんの自宅近くの土地約2ヘクタールに植えた菜種が大人の背丈近くまで成長し、今は一面が黄色に染まっている。ロープを張るなどしながら約30人が菜の花を刈り込み、入り組んだ迷路を作った。
 上野さんは父喜久蔵さん=当時(63)=、母順子さん=同(60)=、長女永吏可(えりか)さん=同(8つ)=、長男倖太郎ちゃん=同(3つ)=を津波で亡くした。喜久蔵さんと倖太郎ちゃんはいまだ行方不明のまま。今も週末は海岸などで遺骨を捜す。
 高ぶる感情を抑えられない時もあった。見ず知らずの子どもの無邪気な笑顔に心乱される日々も続いた。ある時、母親を亡くしずっと下を向いていた永吏可さんの同級生の女の子が、時を経て自然に笑えるようになった姿に気付かされた。「子どもの笑顔はやっぱりいいな」
 昨年夏には地域のボランティアとともに鎮魂の花火大会を催した。多くの人に萱浜に来てほしいと思うようになった。
 菜の花畑は昨年も作ったが、周囲に積極的に伝えることはしなかった。それでも聞き付けた近くの幼稚園児やデイサービスのお年寄りがバスで訪れ、笑顔の時間を過ごしていた。震災から3年を経て、今年はもっとたくさんの笑顔を迎えようと広く来場を呼び掛けることにした。
 上野さんは「花を見て笑顔にならない人はいない。にぎやかな方がいい。家族で遊びに来てほしい」と話している。公開期間中は子どもたちにプレゼントも用意している。

菜の花畑の前で「笑顔が集まる場所にしたい」と語る上野さん

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