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アワビ試験操業始まる 震災、原発事故後初いわきで潜水漁業

試験操業で籠一杯分のアワビを採取した柳葉さん=19日、いわき市小浜町・小浜漁港

■小浜採鮑組合 柳葉英人さん(48)

 いわき市で19日、東京電力福島第一原発事故後初のアワビの試験操業が始まった。初日は市内小浜町の小浜採鮑組合(丹野国之組合長)が操業し、12個を水揚げした。

■漁場に潜り成長具合確認 「一歩踏み出せた」

 「色も大きさもまずまずで、質の良いものが採れた」。小浜採鮑組合の柳葉英人さん(48)は約3年8カ月ぶりに1個約300グラムの出荷用エゾアワビを籠一杯分水揚げし、笑顔を見せた。
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故まで、柳葉さんは潜水漁業によるアワビやウニの採取で主な生計を立てていた。5月から9月までが漁期のアワビは特に大きな収入源だった。
 震災後、生活は一変した。所属する市漁協小浜支所と小浜採鮑組合のほぼ全ての漁船が失われ、柳葉さんも所有していた漁船を失った。拠点の小浜漁港は堤防が壊れ、地盤沈下や、がれきの流入で使えなくなった。
 だが、柳葉さんは諦めなかった。漁の再開に向け、漁港内のがれき撤去に参加した。平成25年10月のアワビ稚貝の放流では、海に潜って漁場にまいた。貴重な資源を守るために欠かせない作業に、早期の操業再開への思いを重ねた。
 この日は、3人で小型の船に乗り、柳葉さん1人が酸素ボンベなどを身に着けて海に潜った。水が濁っていて全体は見渡せなかったが、(アワビの成長具合は)良かった」。久々に見た漁場にひと安心した。
 約30分の漁で大ぶりのアワビ12個を採取した。検査までの約10日間、生きたまま管理しなければならない上、出荷後、適正価格で取引されるかは分からない。だが、柳葉さんは言葉をかみしめた。「動き始めることが大切。操業再開への一歩を踏み出せて本当に良かった」

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