東日本大震災

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春闘妥結は前年比1006円増 5570円、連合福島が集計

 今春の春闘の県内の平均妥結額(4月29日現在)は5570円で、前年に比べ1006円増えた。連合福島の22日までの集計で分かった。ただ、企業の規模が小さいほど妥結額が少なく、中小企業は景気の先行きが見通せないことなどから、賃上げに慎重な傾向が浮き彫りになっている。
 連合福島によると、加盟301組合のうち123組合が各企業に対して賃上げ要求している。このうち、43組合が組合員の平均賃金引き上げを表す「平均方式」での賃上げを求めている。43組合の平均要求額は、消費税率の引き上げや物価上昇などを踏まえ、昨年を1232円上回る6961円としている。
 平均方式による4月29日までの妥結結果は【表】の通り。従業員100人未満の企業の平均妥結額3138円は、1000人以上の企業の6299円に対し、3161円少ない。要求金額7724円に対しても、4586円下回っている。
 中小企業経営論が専門の西川和明福島大経済経営学類教授(62)は「景気回復や円安による原材料費の高騰などで、経済の先行きが見通せず、中小企業は賃上げには慎重にならざるを得ない。全国的にも、中小企業の回答額は大手企業をかなり下回っている」と分析。「県内では社会資本の復旧・復興や除染によって需要の高い建設業に人手が流れ、それ以外の中小企業では必要な人手が確保しにくくなっている。各企業の人材確保に対し、行政の支援が必要になっている」と指摘する。
 県中小企業団体中央会の鈴木義仁副会長兼専務理事は「会員企業からは景気回復の実感が十分に及んでないという声が多い。復興需要についても、業種間でばらつきがある」とし、県内の中小企業には、賃金引き上げまでの経営的な余裕はないとみている。
 来年10月には消費税が税率10%に引き上げられる予定となっている。物価上昇に、給与水準が追い付かなければ、消費の冷え込み、さらには景気への悪影響が懸念される。連合福島の今泉裕事務局長は「業績が好調でも、賃上げを避け、ボーナスに反映させようとする動きがある。その場合、労働者は将来に不安を感じて収入を貯蓄に回すため、景気の好循環に結び付かない」と指摘し、毎月の賃金への反映を求めている。

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