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放射線 放射性物質 Q&A チェルノブイリ事故後、甲状腺がん以外の疾患は

 チェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの甲状腺がん増加が確認されています。甲状腺がん以外の疾患についても確認されたのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■一般住民に甲状腺がんや急性症状は見られず

 1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故発生後、5年後くらいから発電所周辺のウクライナやベラルーシ、それにロシアで事故当時小児だった世代の甲状腺がんが増加したことはよく知られています。
 通常、甲状腺がんは加齢に従って発症頻度が増加することが知られていますが、チェルノブイリ周辺住民においては事故当時、小児、特に0~5歳だった世代で甲状腺がんが多発したことが知られています。これは、事故当時、この世代が高い濃度の放射性ヨウ素によって汚染された牛乳を飲んだということや、若い人ほど放射線感受性が高いことなどに起因していると考えられます。
 一方、これまでの種々の疫学調査の結果、一般住民において甲状腺がん以外の疾患の増加は科学的に証明されていません。また、事故当時やその直後に、原発内で働いていた職員や作業者を除くと、一般住民で原爆被爆者に見られたような放射線被ばくによる急性症状も観察されていません。
 2011年に国連の専門機関である「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」は、チェルノブイリ原発事故による健康影響についての科学的知見を取りまとめて報告書を出しました。その中で、「事故当時に若年者だった世代の甲状腺がんの劇的な増加が見られたが、住民でそれ以外の固形がんや白血病の増加は認められず、がん以外の疾患についても増加は見られない」と報告しています。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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