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座談会(3)生きる誇り見いだそう

成井香苗氏

■臨床心理士 成井香苗氏

 東京電力福島第一原発事故に伴い、避難を強いられた人たちは「あいまいな喪失」と「あいまいな不安」という2つのストレスを抱えたままだ。
 放射性物質の影響で古里を追われた人の多くは、自宅がありながら帰ることができない。大家族での生活があったが、避難で離散した。自分が育ってきた環境は何一つ変わらないと感じているが、喪失感ばかりが募る。それが「あいまいな喪失」で立ち直りが難しいとされている。さらに、予断を許さない福島第一原発の廃炉作業や、先行きが見えない避難生活が「あいまいな不安」につながっている。
 つらくても失われたという現実などを認め、活路を見いだすしかない。認めると、新たな生き方が見えてくる。喪失感を抱える者同士で支え合うのも大切だ。
 職を失ったことも不安の要因となる。アルコールに依存していた農家の人が避難先で作物を作り始め、アルコール依存から脱却できた。生きる誇りを見つけ出すのが重要だ。

 なるい・かなえ 静岡県小山町出身。日本女子大家政学部卒、同大大学院家政学研究科修了。結婚を機に白河市で生活。県臨床心理士会の副会長や東日本大震災対策プロジェクト代表を務めた。NPO福島子どものこころと未来を育む会、NPOハートフルハート未来を育む会の理事長などを務め、被災者支援を続ける。61歳。

カテゴリー:原発事故関連死

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