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放射線 放射性物質 Q&A 放射線被ばくで鼻血は出るのか

 最近、漫画誌に掲載された漫画の中で、東京電力福島第一原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す場面がありました。福島で放射線被ばくにより、鼻血が出ることはあるのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■一定の線量超えると出現 県内では考えられない

 非常に高い線量の放射線を一度に被ばくした場合、被ばく直後か、数時間~数日後に症状が出ることがあります。これを放射線被ばくによる「急性放射線症」と呼びます。その一方、放射線被ばくによる発がんなどは、被ばくしてから数年~数十年後に起きます。「晩発(ばんぱつ)性障害」、あるいは「後(こう)障害」と呼びます。
 例えば、500ミリグレイ以上の放射線を一度に被ばくすると、血液細胞をつくる骨髄に障害が起き、白血球や赤血球、血小板が減少するため、感染症が起きやすくなったり、貧血になったり、出血が止まらなくなったりします。1000ミリグレイ(1グレイ)以上の放射線を一度に被ばくすると、吐き気や全身倦怠(けんたい)感といった全身症状が出ます。これらの急性放射線症の症状は確定的影響と呼ばれ、一定の線量(しきい値)を超える被ばくをした場合には出現しますが、それ以下の線量では出現しません。
 事故直後から現在に至るまで、県内の一般住民は急性放射線症が出るような線量の放射線を被ばくしていません。鼻血は種々の原因によって起こることが知られていますが、少なくとも福島県内における鼻血が放射線被ばくによるものであるとは考えられません。

※グレイ 放射線の吸収線量。ヨウ素131やセシウム137が出す放射線(ベータ線、ガンマ線)の場合、1グレイは1シーベルトとなる。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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