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復興への闘い 震災3年の現実(14)第2部 市町村の模索 地権者に説明重ね

「頼まれた地元として何とか対応したい」との思いで災害公営住宅の計画図を確認する橋本(右)と伊藤

 東日本大震災や東京電力福島第一原発事故に伴う災害公営住宅の建設を受け入れた市町村は、避難者の長期的な住まいの確保に向けて模索する。
 「三春で暮らしたいと願う人々を、地元が支えないわけにはいかない」。原発事故に伴い、葛尾村と富岡町の住民が避難している三春町の副町長、橋本国春(61)は、受け入れた自治体としての責任を語る。

 三春町は原発事故発生後、葛尾村と富岡町が要望した仮設住宅の整備に理解を示し、建設用地を提供した。平成23年6月から両町村の住民が移り、事故発生から3年余りが過ぎた今も、約1400人が仮設住宅や借り上げ住宅で生活している。町職員は点在する町有地をやりくりし、用地確保に苦心した。仮設住宅団地の数は町内15カ所に及んだ。
 25年度には、三春町は両町村から長期避難に対応する災害公営住宅の建設を相次いで打診される。町は協議を経て双方への支援を約束した。主に町建設課と総務課の職員2人が両町村や県、地元地権者との交渉、意見調整を仲介した。
 ただ、町は宅地に向いた町有地のほとんどを既に仮設住宅の用地に提供していた。災害公営住宅の建設候補地は必然的に民有地になった。
 地域の事情に詳しい町職員が両町村の希望を踏まえ、適地を探し始めた。候補地選定に当初から携わる建設課長の伊藤朗(53)は「避難者が暮らしやすい勾配の少ない地形で、まとまった広さが確保できる場所」と条件を説明する。幹線道路や公共水道への接続が容易で、土地利用に地権者の理解があった2カ所に絞られた。

 現在の計画は、葛尾村が三春町恵下越(えげのこし)地区の民有農地約8・9ヘクタールを取得し、村営住宅を最大125戸整備する。27年度の早い時期の完成を目指す。
 三春町職員は葛尾村職員と協力し昨年秋から10回以上の説明会を重ね、地権者約30人に丁寧に説明してきた。地権者から整備計画に対する目立った反対はなかった。今年3月までに村と地権者の用地売買契約にこぎ着けた。
 一方、富岡町の災害公営住宅は、要請を受けた県が整備する。三春町平沢地区の民有農地約5・4ヘクタールを県が買い取り、92戸を建設する。このうち87戸が富岡町民向けだ。隣接する平沢仮設住宅には富岡町民が暮らしており、公営住宅への入居希望者が多かった。
 平沢地区は、県と地元地権者約30人による協議が続いている。不動産の鑑定評価が終わり、今月中に土地買収の価格を決める協議に入る見通しだ。災害公営住宅の建設計画は順調に見えた。(敬称略)

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