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放射線 放射性物質 Q&A 宇宙線による被ばく線量は

 東京電力福島第一原発事故以降、放射線への関心が高まっていますが、自然界にも放射線が存在しているそうです。このうち、宇宙から注がれる宇宙線被ばくや影響について教えてください。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■地球上で生活することで年間約0.3ミリシーベルトの被ばく

 先日、海外出張で飛行機に乗りましたが、その際線量計を持参したところ、出発前の空間線量率は毎時0.1マイクロシーベルト程度でした。出発後、高度が上がるにつれて線量率は上昇し、高度1万2000メートル付近での空間線量率は毎時2マイクロシーベルト程度となりました。ですので、線量計の結果から単純に計算すると10時間程度の飛行時間で20マイクロシーベルト程度を外部被ばくしたことになります。
 これは胸のレントゲン写真を撮影した時の約半分の被ばく線量に相当します。毎時2マイクロシーベルトというとずいぶん高いようなイメージがありますが、これは宇宙から降り注ぐ放射線、つまり宇宙線によって被ばくをするためです。宇宙線は高度が下がるにつれて減弱しますが、地球上で生活することにより、私たちは宇宙線によって年間約0.3ミリシーベルトの外部被ばくをしています。
 宇宙線は、地球が誕生した時から絶えず降り注いでおり、遠い銀河からも、また近傍からも、たくさんの宇宙線がやって来ます。最近では、宇宙旅行が現実のものになりつつあるようですが、気軽に宇宙に行くのはまだまだ高額のようです。一方、宇宙に滞在することによって、地上よりも高い線量の宇宙線被ばくをすることになりますので、宇宙旅行や宇宙ステーションでの長期滞在が現実のものになるには、コストに加えて宇宙放射線による被ばくをどのように最小化するか、という点が大きな鍵になるかもしれません。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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